香川県仲多度郡琴平町の国指定重要文化財、旧金毘羅大芝居・金丸座で4月に開かれる「第37回四国こんぴら歌舞伎大芝居」(町、同大芝居推進協議会主催)の製作発表が20日、東京都内であり、出演する松本幸四郎さんと中村雀右衛門さん、中村鴈治郎さんが意気込みを語った。同歌舞伎公演は5年ぶり。新型コロナウイルスの影響で中止となった2020年の第36回公演で、襲名披露を予定していた幸四郎さんは「復活していただき本当にありがたく思う。やっと、春の琴平に旅に来ませんかと大きな声で言える日が来た。金丸座でお待ちしている」と来場を呼びかけた。

 10年ぶり5回目の出演となる幸四郎さんは「3演目に出演し、舞台でたくさんの汗をかく。こんな楽しみなことはない」と抱負。今回初めて休演日が設けられたことを踏まえ、うどん店巡りにも期待した。
 7年ぶり9回目の雀右衛門さんは、金丸座の舞台装置を使い宙乗りに初挑戦する。「割と高いところは嫌いではないので、できるだけ上で暴れて、お客さんに楽しんでいただきたい」と力強く語った。
 8年ぶり6回目の鴈治郎さんは「客席で肩を寄せ合って歌舞伎が楽しめる状況を、舞台から見られるのはうれしい」と笑顔。また、8年の間に亡くなった父・坂田藤十郎さん、母・扇千景さんに触れ、2人の名前が刻まれた金刀比羅宮の玉垣に思いを寄せた。
 会見には片岡町長と金刀比羅宮の琴陵泰裕宮司、松竹の山根成之副社長も同席。片岡町長は「当たり前のようにあった歌舞伎がなくなり、改めて琴平にとって大事なものだったと感じた。コロナを乗り越えた琴平に来てほしい」とアピールした。
 公演は4月5~21日の17日間(11日は休演)、各日午前と午後の2部制で計32公演。4日には恒例のお練り行列を予定している。入場券の一般発売は今月24日から3月24日までは松竹、3月25日以降は町役場の事務局で取り扱う。問い合わせは事務局、電話0877-75-6714。

(四国新聞・2024/02/21掲載)


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