由緒ある町並みで知られる香川県綾歌郡宇多津町の古街エリアで2日、ひな祭りイベント「うたづの町家とおひなさん」が始まった。民家や公共施設など、約60軒が展示場所として参加。閑静な町並みに大勢の家族連れらが訪れ、普段とはひと味違ったにぎわいを楽しんでいる。3日まで。


家々を回り、玄関などに飾り付けられたひな人形を楽しむ来場者=香川県綾歌郡宇多津町

家々を回り、玄関などに飾り付けられたひな人形を楽しむ来場者=香川県綾歌郡宇多津町


 イベントは、虫籠(むしこ)窓や出格子をあしらった町家があるなど、独特の景観を持つ古街をにぎわい創出に生かそうと、2004年から毎年開催。今年も地元住民らでつくる実行委が主体となり、企画、運営を行っている。
 各町家では玄関口や窓の向こう側に、明治、大正、昭和と、それぞれの時代に子どもたちへ思いを込めて贈られたひな人形を飾っている。こめっせ宇多津では町商工会青年部が、緑やピンクなど約300個の風船を並べた「バルーンおひなさん」を展示。町保健センターには、町内の小学生や保育園、幼稚園の子どもたちの手作り人形が並んだ。
 国の登録有形文化財・倉の館三角邸には、和紙人形作家の孝寿富行さん(坂出市)が、源氏物語の「夕顔」や「紅葉賀」など5場面を表現した人形作品も。町役場駐車場をはじめ、会場内にはキッチンカーや雑貨など約100店がブースを連ね、来場者が列を作っていた。
 両親らと訪れた宇多津小2年の横田千紗さん(8)は「いろんな人形が並んでいて楽しかった。町も人が多く、いつもと違った雰囲気だった」と喜んでいた。実行委の大岩本洋子会長は「みんなの力を借りて、よい展示になったと思う。会場の様子もようやく新型コロナウイルス前に近づいてきた」と話した。
 3日は午前9時から午後4時まで。午後1時には宇夫階神社から町保健センターまで、打ち掛け姿の花嫁らが練り歩く「うたづの嫁入り福あるき」を実施。あみのうら交流センターでは、宇多津北小三味線クラブや香川短期大ダンスゼミなどのステージもある。

(四国新聞・2024/03/03掲載)


第21回うたづの町家とおひなさん(宇多津町)



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