かつては生活必需品だった木桶(おけ)。プラスチック容器の普及や生活様式の変化に押され、昔ながらの製法を守り続ける桶屋は県内ではわずか2軒にまで減ってしまったという。そのうちの一つが「能祖すし桶製造所」。半世紀以上にわたって伝統の技を守り続けている。


伝統の技法で作られたすし桶(手前)とワインクーラー

伝統の技法で作られたすし桶(手前)とワインクーラー


 県伝統工芸士の能祖稜一さん(83)が1966年に高松市円座町で創業し、70年に現在地に移転。すし桶を中心におひつや風呂桶、花桶など多様な木桶を手作業で製造してきた。
 今年1月から2代目として代表を務めるのは、孫の田中祐太さん(38)。2009年から能祖さんの下で修業を積み、2月には「讃岐桶樽(だる)」の県伝統工芸士の認定も受けた。「昔ながらの物の良さ、先代から受け継いだ技術を後世につないでいきたい」と意気込む。
 商品は製造所に隣接する直売所やインターネットサイトなどで販売している。


伝統の技を受け継ぐ2代目の田中祐太さん=香川県綾歌郡綾川町千疋

伝統の技を受け継ぐ2代目の田中祐太さん=香川県綾歌郡綾川町千疋


(四国新聞・2024/04/07掲載)

能祖すし桶製造所


所在地 香川県綾歌郡綾川町千疋1365-2
営業時間 8:30~16:30
定休日 土、日曜、祝日
TEL 087-877-0134


関連情報