皇室に受け継がれた美術工芸品を収蔵する「皇居三の丸尚蔵館」から、香川ゆかりの名品を中心に展示する特別展「美が結ぶ 皇室と香川」(香川県立ミュージアム、皇居三の丸尚蔵館主催、県教委、四国新聞社共催)が20日から、高松市玉藻町の香川県立ミュージアムで開かれる。平安時代の〝三跡〟の書や、伊藤若冲、円山応挙、高橋由一らの代表作など、国宝を含む約70点を展示する。


伊藤若冲「百花の図」=金刀比羅宮所蔵


 皇居三の丸尚蔵館は1993年に開館し、昨年秋にリニューアル。2026年の全面開館までの間、収蔵品を全国で展覧しており、四国では香川のみの開催。県立ミュージアムと金刀比羅宮が所蔵する関連の名品も出品され、皇室と香川のゆかりを感じることができる。
 見どころの一つは、精密な植物や動物を描いたことで知られる若冲の「動植綵絵(さいえ)」(国宝)のうち、ニワトリとヒマワリを描いた「向日葵雄鶏図」。さらに、同時期に描いた金刀比羅宮奥書院の襖絵「百花の図」を展示。こちらにもヒマワリが描かれており、比較観覧できる貴重な機会になる。


伊藤若冲「動植綵絵 向日葵雄鶏図」=同


 また、平安時代の能書家小野道風、藤原佐理、藤原行成ら「三跡」に加え、弘法大師空海の筆と伝わる書や、同ミュージアムが所蔵する佐理の「詩懐紙」(国宝)が並ぶ。


藤原行成「敦康親王初覲関係文書」=皇居三の丸尚蔵館収蔵


 このほか、大正天皇の大嘗祭(だいじょうさい)のために竹内栖鳳が讃岐の風景を描いた屏風を展示。高さ2・5メートルもの大画面に四季の風景を配したもので、今展のため特別に展示する。
 会期は5月26日まで。入場料は一般1400円ほか。65歳以上と高校生以下は無料。問い合わせは香川県立ミュージアム、電話087-822-0002。

関連行事

 【講演会】「若冲花鳥画の魅力」5月11日13:30 講師・皇居三の丸尚蔵館副館長 朝賀浩氏。無料、230人(先着順)。電話または香川県電子申請・届出システムから申し込む。
 【ワークショップ】食べるファミリー・ワークショップ「ほく・ホクご飯を炊こう」5月19日9:0、11:0の2回 講師・五つ星お米マイスターprof.永原三千博氏 1500円、小学生とその保護者12人 ※往復はがきまたは香川県電子申請・届出システムで、氏名、電話番号、ワークショップ名を明記して申し込む。

(四国新聞・2024/04/12掲載)



関連情報