香川県小豆郡土庄町鹿島地区の小豆島霊場59番札所・甘露庵で、フジの花が見頃を迎えている。周囲の山々からは鳥のさえずりが響き、薄紫色の落ち着いた色合いの花が春風に揺れる様子と相まって、訪れた地域住民やお遍路さんらの心に癒やしを与えている。



 同庵は「藤の庵」の愛称で親しまれている。樹齢200年超のフジの木は、高さ約2・3メートル、縦約5メートル、横約8メートルの棚を覆うように広がっており、地元住民らが週2回、交代で草抜きなどの手入れを続けている。
 今年は4月上旬から徐々に花が咲き始め、19日で五分咲き程度。訪れた人たちはフジ棚の下に設けられているベンチに座り、「本当にきれい」「心が落ち着く」などと声を上げながら、棚から垂れ下がった花に見入っていた=写真=。
 夫婦で訪れた近くの奥村長生さん(85)は「見事な枝ぶりの花を見ると元気が出る。地元のみんなと協力して、大切に守っていきたい」と話した。
 同地区の自治会によると、見頃は5月上旬ごろまでの見通し。

(四国新聞・2024/04/20掲載)



関連情報