香川県高松市飯田町の岩田神社でフジの花が見頃を迎えている。涼やかな薄紫色の花が境内を彩り、爽やかな趣を漂わせている。見頃は今月末までの見込み。


境内を薄紫色に彩る孔雀藤=香川県高松市飯田町、岩田神社

境内を薄紫色に彩る孔雀藤=香川県高松市飯田町、岩田神社


 岩田神社のフジは樹齢約850年で、1971年に県の自然記念物に指定された。1本の幹からフジ棚いっぱいに枝を広げた姿の雄大さから「孔雀(くじゃく)藤」と呼ばれ、地域住民らに親しまれている。
 今年は例年より1週間ほど開花が遅く、現在五~六分咲き。フジ棚から長短さまざまな房が垂れ下がり、淡い紫色のカーテンが広がったかのような光景に、訪れた人たちは写真に収めたり、ほのかな甘い香りを楽しんだりしている。
 同神社では30日まで恒例の藤まつりを開催。20、21日には茶会や浦安の舞の奉納が行われるほか、21日午前11時半からは大江戸玉すだれの公演もある。見頃に合わせて、午後6時から同8時までライトアップも行っており、闇夜に浮かび上がるフジの花の幽玄な雰囲気も味わえる。
 孔雀藤は樹勢の衰えが懸念されており、地元の弦打校区コミュニティ協議会が接ぎ木を行い、2015年度に地区内の小学校や公園などに植樹。地域ぐるみで子孫の育成に取り組んでいる。

(四国新聞・2024/04/20掲載)



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