「藤寺」として知られる香川県三豊市財田町の萬福寺で、境内にあるフジ棚が見頃を迎えた。淡い紫色の花房がずらりと垂れ下がり、見上げると降り注ぐシャワーに包まれたよう。4月の雨に降られてしっとりとした花もまた趣があり、甘い香りを漂わせて訪れる人を魅了している。


降り注ぐシャワーのようにしだれるフジ=香川県三豊市財田町、萬福寺

降り注ぐシャワーのようにしだれるフジ=香川県三豊市財田町、萬福寺


 同寺のフジは樹齢60年ほどで、約100平方メートルのフジ棚いっぱいに枝を広げ、見応えたっぷり。「三尺藤」は花房が長いもので1メートルほどにもなり、境内を薄紫色に染めている。濃い紫色の花が鮮やかな「八重黒龍」のほか、白やピンク色の花をつける種類も見られる。
 数年前に来た時は開花前だったという観音寺市古川町の大久保琳湖さん(25)は「ちょうどいいタイミングで来られた。花に近寄ると、とてもいい香りがする」と頬を緩めた。初めて訪れた三豊市三野町の渋谷真央さん(25)は「雨になったのは残念だけど、きれいで良かった」と話し、花をバックに写真を撮っていた。
 開花ペースは昨年より数日遅く、今月末まで楽しめそう。山門の前に駐車場が約25台分あり、フジ棚は自由に観賞できる。

(四国新聞・2024/04/24掲載)



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