芸術活動団体、小豆島に新美術館 アートで地域を元気に 気鋭作家の作品40点
香川県小豆島町馬木地区を中心に芸術活動を展開する小豆島アートプロジェクト(石井純代表)が27日、同町西村に新たな美術館をオープンした。国内外で活躍する気鋭の作家たちが手がけた絵画や立体作品などの現代アート約40点を展示しているほか、館内にはドリンクコーナーも設けている。石井代表は「アート作品の鑑賞を通じて観光客らに西村地区と馬木地区を巡回してもらうことで、小豆島の新たな魅力を感じてもらえるきっかけになれば」と意気込んでいる。
新しい美術館の名称は「MOCA OLIVE(モカ・オリーブ)」。小豆島オリーブ公園西側にあった古民家を買い取って、昨年9月から木造2階建ての新館整備に着手した。延べ床面積は約220平方メートルで1階部分にショップスペース1室と展示室2室、2階には映像の鑑賞もできるスペースも含めて4室を備えている。
新館の目玉は、古材を使った造形作品を創作する南谷富貴さん(56)=岐阜市=が昨年4月から約1年間かけて制作した立体作品。新館の建設地にあった古民家の柱を切断してブロック状にしたものを、木目を生かしたり、赤や青、黄色などで彩色したりして組み合わせ、大きな箱形に仕上げた。南谷さんは「土地の記憶をとどめるイメージで制作した。小豆島を訪れた人の心に響けばうれしい」と話していた。
この日は午前11時からオープニングセレモニーがあり、県内外から関係者約80人が出席。テープカットを行った後、石井代表が「私設美術館で限界はあるが、大勢の人に楽しんでもらいたい」とあいさつした。
MOCA OLIVEは同プロジェクトが手がけるギャラリーなどの施設として五つ目。無休(年末年始などは休館)。営業時間は午前9時~午後5時。入館料は1200円。また、同日に小豆島オリーブ公園北側の山林に美術館利用者のみが入館できる休憩所「HILL TOP(ヒル・トップ)テラス」もオープンした(悪天候時は閉館)。問い合わせは小豆島アートプロジェクト〈080-6725-9494〉。
(四国新聞・2024/04/24掲載)