新緑の季節を迎えた小豆島の寒霞渓で、島の一部の地域だけに自生する希少植物「ショウドシマレンギョウ」が見頃を迎えている。四望頂(しぼうちょう)展望台周辺の遊歩道沿いでは、直径2~3センチのかれんな黄色い花が、新緑の木々とともに風に揺れ、訪れた観光客らの視線を引き付けている。


かれんな黄色い花を咲かせたショウドシマレンギョウ=香川県小豆島町、寒霞渓

かれんな黄色い花を咲かせたショウドシマレンギョウ=香川県小豆島町、寒霞渓


 ショウドシマレンギョウはモクセイ科の落葉低木。葉が開くのと同じ時期に、やや緑がかった黄色い小ぶりの花を咲かせる。岡山県などに自生するヤマトレンギョウの変種が小豆島で独自の進化を遂げたとされ、1973年に新種として認定された。現在は県のレッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。
 「寒霞渓ロープウェイ」の運行会社によると、今年は例年並みの今月20日ごろに咲き始めた。現在は八分咲き程度。神戸市から家族4人で訪れていた桐山幸希さん(50)は「優しい色合いで、穏やかな雰囲気が小豆島を象徴しているよう。見ているだけで気持ちが安らぐ」と話していた。
 花は5月上旬まで楽しめるという。

(四国新聞・2024/04/30掲載)



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