日本の巨大ロボットアニメの歴史を取り上げた企画展「GIANT ROBOTS 日本の巨大ロボット群像」が、香川県高松市紺屋町の市美術館で開かれている。1960年代から数多くの作品が生み出され、独自の進化を遂げたその歩みを約200点の資料でひもといている。6月16日まで。


アニメに登場するロボットの大きさが体感できるコーナー=香川県高松市紺屋町、市美術館

アニメに登場するロボットの大きさが体感できるコーナー=香川県高松市紺屋町、市美術館


 海外からも注目を集める日本のロボットアニメのデザインと映像表現の変遷を体系的に紹介するのが狙い。福岡県や横浜市などで開かれる巡回展で、3カ所目となる高松会場は同館の主催で実施している。
 同館によると、巨大ロボットアニメは「鉄人28号」(63年)に始まり、「マジンガーZ」(72年)がヒットした70年代は合体したり人が乗り込んで操縦したりと、同ジャンルの基礎的な特徴が出現。「機動戦士ガンダム」(79年)登場以降の80年代は、内部構造が緻密に描かれるなどリアリティーが重視され、物語にも深みが増した。90年代はデザイン面で70年代に回帰する流れがあったという。


1970年代のアニメのロボットを描いた絵画

1970年代のアニメのロボットを描いた絵画


 会場では実物大パネルをはじめ、大型絵画や映像など45作品の資料を展示。中でも目を引くのは、全長18メートルのガンダムの公式設定画を床に貼り付けたコーナー。その上を歩いて大きさを実感することができ、登場人物の気分も味わえる。
 アニメでロボの巨大さを強調する工夫として、人物がロボの手に乗るシーンが多用されていることもパネルで解説。また、中2階では全国から公募したプラモデルのジオラマ約10点も紹介している。
 担当の牧野裕二学芸員は「アニメの歴史をたどると二足歩行ロボットへの人々の憧れがうかがえる。幼い頃に親しんだ作品や、初めて見る作品も深く理解してほしい」と話している。
 入場料は一般1200円ほか。問い合わせは同館、電話087-823-1711。

(四国新聞・2024/05/16掲載)


高松市美術館



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