かがわの老舗 レトロを歩く=三好商店(香川県高松市藤塚町) 1610(慶長15)年創業 讃岐提灯 独創的な作品も
弘法大師空海が中国から持ち帰ったとされ、その後、さまざまな技法を取り入れながら受け継がれてきた讃岐提灯(ちょうちん)。1610年創業の製造元「三好商店」では、金刀比羅宮や明治神宮など全国の神社仏閣からの注文に応えるとともに、伝統技術を応用した独創的な作品を生み出している。
江戸時代から伝わる「讃岐一本掛け」は、1本の竹ひごを用い、それを切ることなく三重構造の提灯に組み上げる一子相伝の技法。現代の名工で11代目の三好正信さん(76)は、複数のパーツをつなぎ合わせて複雑な形を可能にする「新一本掛け」を編み出し、国内外で高い評価を受ける。
店頭には、魚やカッパ、箸で丼から持ち上げたうどんなど斬新なデザイン提灯が並ぶ。三好さんは「伝承してきた明かりを次代につなげたい」と、若者らが提灯に触れる機会づくりにも注力している。
(四国新聞・2024/06/02掲載)
三好商店
所在地 | 香川県高松市藤塚町1-13-10 |
---|---|
営業時間 | 午前9時半~午後5時半 |
定休日 | 日曜、祝日 |
TEL | 087-831-8008 |