虹の滝(三木町)涼感、水ほとばしる雌雄の流れ 新さぬき百景の一つ
梅雨が明け、最高気温が35度近くにまでなる蒸し暑い日が続いている。こんなときは涼を感じに、滝へ行こう。三木町小蓑の「虹(こう)の滝」は新さぬき百景の一つで、雌雄二つの滝からなる。真夏の光に輝く緑をめでながら、それぞれに違った「顔」を持つ美しい滝で一服しよう。
高松市塩江町の国道193号から小蓑方面に向かう。国道沿いに表示された温度計は午前中にもかかわらず、すでに35度を示していた。7月24日の梅雨明け以来、よく晴れて暑い日が続いていた。
虹の滝は三木町営キャンプ場を備えている。炊事場やバンガローなどがあり、夏場は週末を中心に家族連れらでにぎわう。滝周辺の川は広くて浅い場所も多いので、ちょっと足をつけて水遊びをするのにもぴったりだ。遊歩道沿いにはモミジが植えられ、今の季節は若い緑が輝く。紅葉もさぞかし見事だろう。
まずはキャンプ場から近い雌滝へ。雌滝は落差8メートル、幅6メートル。上から落ちてきた水は中間地点で勢いよく水しぶきを上げている。虹の滝の名前は、水がほとばしり、立ち上る水煙に日光を受けて虹ができることから名付けられたという。
滝つぼ周辺まで下りていくのもいいし、あずまやから眺めるのもいい。滝つぼの辺りまで下りて手足をつけてみると、ひんやり冷たい。水は透き通っていて、魚が元気に泳ぐ姿も見える。汗がすうっと引いていった。
続いては雄滝へ行ってみよう。雄滝は雌滝よりも上流にあり、落差は11メートル、幅は5メートル。白布を垂らしたような姿が美しく、まるで天女の衣のようだ。
こうして二つを見比べてみると、雄滝は落差が大きいが、白布のようなその姿にはたおやかさがある。一方で、雌滝の水しぶきは荒々しく豪快だ。二つの滝は「ジェンダーレス」な滝なのかもしれない。
虹の滝へは、高松市塩江町方面からは国道193号から北へ。三木町からは県道42号を南下する。道中、道幅が狭いところもあるので車の運転には気を付けて。
(四国新聞・2019/08/06掲載)
「虹の滝」
所在地 | 香川県木田郡三木町大字小蓑 県道42号線 |
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