香川県高松市庵治町やさぬき市津田町の海岸沿いに、1棟貸し切り型の宿泊施設が相次いでオープンしている。瀬戸内海を望むロケーションを楽しみながら、別荘感覚で自由に過ごせるのが特徴で、首都圏や関西からの観光客、外国人客らに好評だ。両エリアでは約20棟が運営されており、来年以降、さらに増える見通し。地元業者と連携した食事メニューやアクティビティーの提供にも取り組んでおり、地域活性化の期待も高まる。


ジュエル・ヒラタがオーナーを務めるホテルは開放感が特徴。オーシャンビューも楽しめる=さぬき市津田町

ジュエル・ヒラタがオーナーを務めるホテルは開放感が特徴。オーシャンビューも楽しめる=さぬき市津田町


 各施設を管理するのは、ホテル事業などを手がける「万里一空」(高松市、松岡敬三社長)。地域資源を観光客誘致につなげようと2020年に同市庵治町で既存の建物をリノベーションし、1棟貸し切りのホテル事業に乗り出した。「SETO CLAS」ブランドで23年から本格展開し、庵治、津田両町に各4棟を新設。他の宿泊客に気兼ねなく過ごせるスタイルや「非日常感」が家族連れらに人気で、昨年度の宿泊者数は10棟で計約1万人に上った。
 今年度も庵治、津田両町などに計10棟が新規オープン。今春に津田町の北原海岸沿いに完成した4棟は、地域活性化の趣旨に賛同した県内企業4社がオーナーとなり、コンセプトの異なる宿に仕上げた。宝飾品販売のジュエル・ヒラタ(高松市)がオーナーの施設は開放的なワンフロアが特徴で、ウッドテラスにはプールを備え、バーベキューも楽しめる。建築会社のグローアップ・ファースト(同)がオーナーの施設はサウナやたき火台などを完備し、アウトドア感を演出。各施設とも食事は自炊だが、東かがわ市の業者によるジビエのバーベキューなどをオプションで楽しめるほか、釣り船など近隣で体験できるレジャーも紹介している。
 25年度には庵治、津田両エリアなどに約10棟が新設予定で、坂出市では遍路がテーマのホテルも計画中。松岡社長は「素晴らしい資源を活用し、一層の誘客や地域の盛り上がりにつなげたい」と話している。利用料金は1泊(1棟当たり)5万円から。各施設で宿泊可能人数は異なる。予約は専用サイトなどで受け付ける。サイトは「SETO CLAS」で検索する。

(四国新聞・2024/06/29掲載)


SETO CLAS


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