現代美術家・川島猛(94)のイマジネーションを作品から読み解くテーマ展「夢のなかへ」が、香川県高松市亀水町のアトリエ兼美術館「川島猛アートファクトリー」で開かれている。時代の流れと共に変容する氏の世界観を堪能できる。11月2日まで。


「ドリームランド」シリーズの作品の前に立つ川島=高松市亀水町、川島猛アートファクトリー

「ドリームランド」シリーズの作品の前に立つ川島=高松市亀水町、川島猛アートファクトリー


 川島アートを通じて思考する楽しさを感じてもらうとともに、多彩な表現方法に理解を深めてもらうのが狙い。今展では、川島の代表作品の一つ「ドリームランド」シリーズを中心に32点を展示。平面でありながら、豊かな色彩感で画面からモチーフが飛び出している奔放な作風は見る側を圧倒している。
 このうち、県内初公開の「Dream Land コスモス」(1992年)は、一見赤と青を基調とした幾何学的な抽象作品に思える。しかし、画面左上に描かれた黄色とピンクの丸をコスモスの花畑と捉えることで、真っ赤な空に浮かぶ雲や地面から芽吹く植物を想起させる風景画としても見て取れる。
 また、ダイナミックな渦が密集した「宇宙」シリーズの「Jan.2018」は、宇宙はあらゆるもので満たされているという川島のイメージを際限なく発揮。楽器を連想させるにぎやかな作品もあり、同館は「心躍る空間に浸ってほしい」としている。
 入場料は一般千円(高校生以下は無料)。開館時間は火、木、土曜の午前10時~午後4時。問い合わせは川島猛アートファクトリー、電話087-802-6888。

(四国新聞・2024/06/28掲載)


川島猛アートファクトリー



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