造形美光るヘッドピース 華やかなファッションショーも 加茂克也展 丸亀・猪熊美術館 9月23日まで
シャネルやフェンディといったブランドのショーで活躍したヘアデザイナー加茂克也(1965~2020年)=福岡県出身=の個展が、香川県丸亀市浜町の市猪熊弦一郎現代美術館で開かれている。数々のランウエーを彩った頭部の飾り(ヘッドピース)を中心に展示しており、初日はそれらを身に着けたモデルがファッションショーを再現。まるで前衛彫刻のようなヘッドピースの魅力を伝えた。展覧会は9月23日まで。
加茂はヘア&メークアップアーティストとしてパリや東京でブランドのショーを手がけたほか、雑誌写真のヘアメークなども担当した。2003年にはファッションデザイナー以外で初めて「毎日ファッション大賞」を受賞した。
加茂のヘッドピースは、紙で作った花や砕いた鏡、鳥の羽など身近な素材を使いつつも、気品のある造形美によって服を引き立てているのが特徴。花などのモチーフを入念に観察することで自然な美しさを重視したという。展覧会ではブランドのショーで実際に使用されたヘッドピースを中心に、初期から晩年までの約260点が並ぶほか、雑誌の写真記事や制作過程の記録なども公開している。
ファッションショーは、ブランド「アンリアレイジ」とコラボレーションして開展日の夜に実施。モデル8人が、シャンデリアを思わせる華やかな作品や、仮面のように顔まで覆ったものなど斬新なヘッドピースを身に着け、2階大階段の通路をさっそうと歩いた。過去にブランドと加茂がつくり上げたショーを再現したもので、詰めかけた大勢のファンを魅了していた。
入場料は一般950円ほか。問い合わせは市猪熊弦一郎現代美術館、電話0877-24-7755。
(四国新聞・2024/07/18掲載)