ドイツを拠点に活動するピアニスト富田珠里(香川県高松市出身)が、アコーディオン奏者の大田智美(埼玉県出身)と展開するコンサートシリーズ「CROSSAir(クロスエア)」が8月11日、同市紺屋町の市美術館講堂で開かれる。シリーズ9年ぶりとなる公演。ベートーベンら18世紀の巨匠と現代の作曲家を取り上げ、独創的な音楽空間を創出する。


大田智美さん(左)と富田珠里さん(右)

大田智美さん(左)と富田珠里さん(右)


 富田は桐朋女子高校音楽科を経てドイツに渡り、ケルン音楽大大学院などを修了。近年は室内楽にも力を入れ、世界各地でコンサートを開催しているほか、同大の講師として後進の指導にもあたっている。
 大田とはドイツで出会い、2006年からクロスエアシリーズを開催。「共に成長できる機会にしたい」と、さまざまな時代や楽器に焦点を当てるのが特徴で、7回目となる今回は高松市をはじめ東京都と熊本県を巡回する。
 今回の注目の一つは、作曲家野村誠(熊本県)がピアノとアコーディオンのために作った楽曲。野村は3月にも市美術館エントランスホールで地元中学生と演奏会を開くなど香川と縁深い。メインの「迷惑な反復コーキョー曲」はベートーベンの交響曲第7番を題材にしたユニークな作品で、富田は「原曲との違いや面白さ、現代らしい表現を楽しんで」と話す。
 ほかに、モーツァルトの「きらきら星変奏曲」編曲版や、作曲家稲森安太己の委嘱新作も取り上げる。富田は「鍵盤で空気を震わせる楽器同士、長年共演してきた私たちの響きを聴いてほしい」と話している。
 香川日独協会ボン独日協会姉妹提携30周年記念公演。午後3時開演。入場料は一般4千円(前売り3500円)ほか。正午からはファミリー向けの演奏会(有料)も開く。問い合わせはクロスエアコンサート実行委員会、電話090-6478-6646。

(四国新聞・2024/07/22掲載)


CROSSAir



関連情報