香川県小豆郡小豆島町蒲生の小豆島霊場40番札所・保安寺(宮内義澄住職)で24日、「諸病きうり加持」が営まれた。参拝者はキュウリに無病息災や家内安全などの思いを託して土に埋め、静かに手を合わせた。


参拝者が供えたキュウリに護符を詰め、祈とうする僧侶ら=小豆島町蒲生、保安寺

参拝者が供えたキュウリに護符を詰め、祈とうする僧侶ら=小豆島町蒲生、保安寺


 同寺のきうり加持は、1897(明治30)年ごろから実施。一年で最も暑く病気になりやすい夏の土用の丑(うし)の日に、新鮮なキュウリにお札を詰めて土に埋めると、キュウリが腐るころに病気が治るとされている。
 この日は約千本のキュウリを準備。午前8時ごろから、地元住民や県内外のお遍路さんらが次々に訪れた。本堂では僧侶が独鈷(とっこ)と呼ばれる法具でキュウリに穴を開け、病気などを封じ込める護符を詰めて祭壇に供えた後、参拝者と一緒に読経。その後、参拝者は境内の一角に掘られた穴にキュウリを入れ、願いを込めながら手を合わせていた。
 同寺では参拝できない人のために手紙などで祈とうの申し込みを受け付けている。夏の土用の期間中、約1500人分の祈とうを見込む。きうり加持は8月5日にも行う。

(四国新聞・2024/07/25掲載)



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