電動自転車で周遊を 東かがわ市 8台用意し実証実験 観光振興や活性化狙う
香川県東かがわ市は7月31日、同市引田の安戸池にあるハマチの餌やりやタイ釣り体験などができる体験学習館「マーレリッコ」を拠点に、電動レンタサイクルの実証実験に乗り出した。市は貸し出し用に8台の電動自転車を用意。初日はせとうち観光専門職短期大学(高松市)の学生が、電動自転車を使って周辺の観光スポット巡りを楽しんだ。
市内に点在する観光資源やものづくり工場、飲食店などをつなぐ2次交通としての役割のほか、ファミリー層向けの体験型観光商品の企画などにつなげるのが目的。2025年には引田エリアが会場の一つに選ばれている瀬戸内国際芸術祭や大阪・関西万博があり、観光振興などを図る狙いもある。
この日は同短大の学生10人が参加し、安戸池の釣り堀「フィッシュフック」で釣りを楽しんだ後、電動自転車に乗って周辺の散策に繰り出した。学生たちは古い町並みが残る一帯を電動自転車でスイスイと進行。引田漁港の防波堤で地元有志が取り組む「湾岸アートプロジェクト」の作品群にも立ち寄り、お気に入りの「推しスポット」として好みのアングルを見つけては写真撮影を楽しんだ。
同市を訪れるのは初めてという1年の岸紗里奈さん(18)は「電動自転車は一こぎでもかなり進むので楽だった。道中では山と海がずっと見え、景色が良かったのでまた来たい」と笑顔で話した。
マーレリッコなどの利用者は、午前9時から午後3時45分まで無料で電動自転車を使用することが可能。市によると、10分圏内に讃州井筒屋敷や湾岸アート、25分圏内にしろとり動物園や白鳥神社などがある。実証実験の期間は12月16日までで、利用者にアンケートを行って運用方法を検討していく。市は「観光客らの利便性を高めることで産業振興や地域活性化につなげていきたい」としている。
(四国新聞・2024/08/02掲載)