シェア自転車で島巡りを JTBが小豆島でプロジェクト 自動運転バスの実証も
旅行大手JTB(東京)は1日、小豆島で「20年先の小豆島をつくるプロジェクト」をスタートさせた。第1弾として地元団体が2017年から実施しているシェアサイクル事業を拡充。今後、自動運転バスの導入に向けた実証実験や関西エリアからのヘリコプターを活用した誘客事業にも取り組む。
JTBや小豆島・瀬戸内エリアマネジメント協会(香川県小豆郡小豆島町)など、プロジェクトに参加する10社・団体の代表が同日、東京都内で記者会見して明らかにした。
プロジェクトはJTBのエリア開発事業の一環で、観光地が将来にわたって持続可能な発展ができるよう後押しする。関西エリアに近く、魅力的な観光地を抱えながら、宿泊者が来島者の約3割にとどまっている小豆島の現状に着目。手始めに港からの2次交通を確保し、島内周遊の促進を図っていく。
同日拡充したシェアサイクル事業は、国内最大級のシェアサイクルアプリ「ハローサイクリング」を活用。新たに最新式の電動アシスト自転車160台を導入し、従来の140台に加えて300台体制を整えた。「ステーション」と呼ばれる駐輪スペースは30カ所から42カ所に増設し、利便性を向上させた。
9月からは土庄港と人気観光地のエンジェルロードの間で自動運転バスの実証実験を行う。約10人が乗車できるバスを使い、タクシーや路線バス、ホテル送迎車の運転手不足といった課題解消に役立つか検証する。
言葉の壁を解消するための人工知能(AI)を搭載した翻訳機の導入や、AIによる自動運転ボートの実証実験も計画。25年度以降、関西から空路による誘客事業も予定している。
JTBの担当者は「小豆島での取り組みが、オーバーツーリズムや少子高齢化による人手不足といった課題解消につながれば。30年までに宿泊者を来島者の4割まで回復させ、年間宿泊者50万人を達成したい」と意気込んだ。
(東京支社)
(四国新聞・2024/08/03掲載)