第57回さぬき高松まつり 12日から3日間
県都の真夏の祭典「第57回さぬき高松まつり」(高松市、高松まつり振興会主催、四国新聞社、西日本放送など協賛)が12日から14日までの3日間、香川県高松市の市中央公園などで開かれる。今年も「ものっそ高松」を合言葉に、お笑いや音楽ライブなどさまざまな企画が用意されている。花火大会は昨年より規模をやや拡大して15分間で4千発を打ち上げ。祭りのクライマックスとなる総おどりでは35連計約2千人の踊り手が中央通りなどで乱舞する。猛暑や新型コロナウイルスに負けず、今年も安全・安心にまつりを満喫しよう。(写真は昨年のまつりから)
ゆかたグランプリ(12日午後7時10分から) 13人、着こなしアピール
まつりに花を添える「ゆかたグランプリ2024」は、12日午後7時10分から市中央公園メインステージで開催される。
今回、書類審査や7月の2次審査を突破し、最終審査に出場するのは10~60代の13人(男性2人、女性11人)。浴衣への思いや着こなしのポイントなどをアピールして競い合う。
グランプリ(1人)の受賞者にトロフィーや10万円相当の副賞などが贈られるほか、準グランプリ(2人)などが設けられている。グランプリの栄冠を手にするのは誰か。
ものっそ隊 縁の下で支える、若者の力
まつりを裏で支えるのがPRボランティアの「ものっそ隊」。若者の目線でまつりの魅力を発信してもらおうと、2006年の第41回からスタートし、テレビへの出演、量販店でのイベントなどで来場を呼びかけている。
今年は、穴吹ビジネスカレッジの学生や高松一高の生徒計44人が参加。初日のオープニングセレモニーで同カレッジの14人と同高の生徒2人がまつりの見どころなどを紹介するほか、同高ダンス部の28人がまつりのテーマ曲に合わせて、元気あふれるダンスを披露する。
お笑いや音楽 心躍るイベント多彩 人気芸人らが大集合
市中央公園のメインステージでは、お笑いや音楽など心躍るイベントが展開される。
12日午後5時半からのオープニングセレモニーでは讃岐国分寺太鼓保存会の勇壮な演奏に続き、ものっそ隊がPR。古くから伝わる盆踊り唄「正調一合まいた」の演舞が披露され、開会宣言の後、第16代高松ゆめ大使の紹介などがある。
同6時40分から、音楽ネタ「もしかしてだけど」で人気のどぶろっくがお笑いライブを実施。同7時10分から「ゆかたグランプリ2024」が始まり、審査中の同8時10分からは裸芸人のウエスPさんが登場する。同9時15分からは「なんでだろう~」でおなじみのテツandトモがお笑いライブを繰り広げる。
13日は午後5時から「Viva! 高松 teen's Fes」でスタート。県内6高校の応援部員らが熱いエールを送る。同5時45分からは「源平カラオケ選手権」が装いを新たに「カラオケグランプリ2024~目指せ歌唱王への道~」へとリニューアルして開催。優勝者は日本テレビ系列の番組「歌唱王」に西日本放送の推薦枠として最終予選から出場する資格を得ることができる。
また、同7時半からは股間をお盆で隠すネタで知られるアキラ100%さん、同9時5分からは毒舌漫才のウエストランドが出演。同8時からは音楽ユニット「LUV K RAFT(ラブクラフト)」のステージが楽しめる。
花火大会(13日午後8時半から) 昨年より多く、15分4000発
今年の花火大会は15分間4千発。10分間3千発だった昨年より規模をやや拡大し、昨年同様に密度の濃い花火の打ち上げを予定している。開演は13日午後8時半。
サンポート地区の再開発に伴い観覧場所が大幅に減っているため、サンポート周辺のほか、昨年に続いて玉藻公園北側の国道30号「水城通り」約300メートルの区間を観覧場所とする。車道のため、座っての見物や場所取りは不可。打ち上げ場所は昨年と同じ高松港玉藻防波堤。音楽とコラボレーションした“音楽花火”の演出は、水城通りやサンポートの「せとシーパレット」周辺で楽しめる。
今年は3部構成。1部の「Welcome to TAKAMATSU~ともに夢の世界へ~」は、シンガー・ソングライターのVaundy(バウンディ)さんの「怪獣の花唄」の爽快感あふれる曲調に乗せ、カラフルな花火が展開される。2部の「瀬戸内シーファンタジア」は、瀬戸内の自然豊かな情景を青色や銀色を基調とした花火で美しく、きらびやかに表現する。
エンディングの3部は「刹那~咲き、散りゆく美しさ~」。ジブリ映画「ハウルの動く城」の劇中曲「人生のメリーゴーランド」の美しくもはかないワルツのリズムに合わせ、華やかな花火が夜空を彩るとともに、日本らしい「わびさび」の情感も感じられるようになっている。音楽花火は1部と3部。
交通規制と臨時駐車場
花火大会のある13日は、観覧場所のサンポート高松などで交通規制が行われる。規制時間は午後6時半(水城通り・中央通りの一部などは同7時半)から同10時まで。一部地区への立ち入りも制限される。
臨時駐車場を開設するのは6カ所。新番丁小、旧新塩屋町小、旧築地小は午後5時(新番丁小は正午)から同10時半まで。旧日新小、市公設花き地方卸売市場花き棟、市中央卸売市場水産物棟2階駐車場は、同5時から同9時半まで。
サンポート高松の有料地下駐車場は、午後6時に入り口を閉鎖する(満車になった場合はその時点で閉鎖)。周辺道路の混雑が予想されるため、市は公共交通機関の利用を呼びかけている。
総おどり(14日午後5時45分から) 35連2000人乱舞
3日間の祭典のフィナーレを飾る恒例の総おどり。今年も「喜舞笑舞(きまいわらいまい)」をテーマに、個性豊かな衣装を身にまとった35連計約2千人の踊り手たちが多彩なパフォーマンスを披露し、まつりを最高潮に盛り上げる。
さぬき高松まつりのテーマ曲に合わせて中央通りを踊り歩く一元放送連22連、オリジナル曲の自由連13連が出場。一元放送連は午後7時から約360メートルのコースで南北からそれぞれ同時にスタートする。自由連は同5時45分に開始。市中央公園メインステージでエネルギッシュな踊りを繰り広げる。
総おどりAWARD2024は、来場者がQRコードを使ってスマートフォンから投票できるシステムを昨年から導入。従来の審査員による審査との併用で行われ、同9時25分から同メインステージで発表される。
交通規制
総おどりの交通規制は、午後6時20分から同9時まで。美術館通りから観光通りまでの中央通りと中央公園周辺の一部が車両通行止めとなる。臨時駐車場は新番丁小、旧新塩屋町小、旧築地小の3カ所。開設時間は同5時(新番丁小は正午)から同10時半まで。
熱中症対策 ミスト扇風機を増設
猛暑が続く中、高松市などの主催者は、懸念される熱中症の対策を拡充。メイン会場の市中央公園では大型扇風機やミスト扇風機を増設し、3日間とも市役所本庁舎1階を「クーリングスポット」として開放するなど例年以上に安全・安心な運営に努める。
同公園と花火会場の両本部には体調が悪くなった場合に備え、これまで通り冷たいおしぼりや飲料、スポットクーラーなどを用意。花火会場の水城通りには新たに給水スポットを設ける。
来場者、出演者には小まめな水分・塩分補給や休憩を取るなど各自で予防策を講じるようアナウンス。看板のほか、同公園では発光ダイオード(LED)ビジョンでも注意喚起する。
また、新型コロナウイルス感染の広がりを受け、37・5度以上の発熱や風邪症状などの体調不良時は来場を控えるよう呼びかけている。
市はホームページに熱中症予防のポイントを掲載。特に注意が必要なのは高齢者や子ども、障害者、基礎疾患のある人といい、▽外出時は日傘を差す、帽子を着用する▽保冷剤や冷たいタオルなどで体を冷やす▽通気性のよい衣服を着用―といった暑さを避ける手だてを紹介している。
喉の渇きを感じていなくても小まめな水分・塩分の補給が重要。水分摂取量の目安は1日当たり1・2リットルで、利尿作用のあるアルコールやコーヒー、紅茶は不向き。夜でも気温があまり下がらず、人混みの中では熱中症のリスクが高まるとされており、睡眠や食事をしっかり取るなど体調を整えておくことも大切だ。
荒天の場合
悪天候の場合、ステージイベントは一部内容を変更して実施する予定。13日の花火大会、14日の総おどりは中止する。
(四国新聞・2024/08/12掲載)