スロベニアの現代美術作家、ペテル・ツィウハの国内初個展「点の錬金術」が、香川県高松市松島町のホワイトキューブ高松つくもギャラリーで開かれている。同国のデジタルアートの先駆者として新たな試みを続ける意欲作9点を展示。25日まで。


来場者に作品を解説するペテル・ツィウハ(左)=高松市松島町、ホワイトキューブ高松つくもギャラリー

来場者に作品を解説するペテル・ツィウハ(左)=高松市松島町、ホワイトキューブ高松つくもギャラリー


 ペテルは同国を代表する画家ヨージェ・ツィウハの長男。今月、坂出市でヨージェの回顧展が開かれているのに合わせて来日、自らの個展も企画した。
 展示されているのは、タコやクラゲといった海洋生物の写真にさまざまなデザインを施し、縦約2メートル、横1・5メートルの布地にプリントした作品。大きさの違う形が繰り返される幾何学模様「フラクタル」を取り入れ、同じモチーフでも異なる印象の作品に仕上げている。
 深海のタコをあしらった「淡いベビーブルー」は、さまざまな色のドット(点)を駆使して、漂うタコの奥行きや透明感を表現。その上で画面を分割し、さまざまな色を取り込むことで、本来光のないところに住む生物に新たな光と生命感を与える表現となっている。
 ペテルは2018年、22年のうたづアートアワードで入賞するなど香川とのゆかりがあり、それをきっかけにアジア芸術の影響も受けているという。「写真と抽象表現との融合を、ぜひ実物で見てほしい」と話している。
 観覧は無料。15-17日は休館。問い合わせはホワイトキューブ高松つくもギャラリー、電話087-835-0532。

(四国新聞・2024/08/15掲載)



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