豪華な歌舞伎衣装 一堂に 明治の芝居小屋テーマに展示 高松市歴史資料館・25日まで
明治時代、高松に存在した芝居小屋「延寿閣」に焦点を当てるコレクション展「まちの芝居小屋―延寿閣KABUKI」が、香川県高松市昭和町の市歴史資料館で開かれている。華やかな歌舞伎衣装を一堂に展示しており、当時の庶民の娯楽をひもといている。25日まで。
同館によると、明治時代以降は寺社周辺の小屋だけでなく、高松の街中にも数多くの芝居小屋が誕生。延寿閣は1877(明治10)年に現在の片原町に建てられ、1912(同45)年に活動写真館に生まれ変わるまで上方歌舞伎の興行などが盛んに行われたという。
今回は歌舞伎衣装をはじめ延寿閣ゆかりの品約60点を展示。中でも役者が使用した袖の長い「打ち掛け」は、たけだけしい竜や「獅子の子落とし」の場面を大胆に刺しゅうするなど豪華なデザインが目を引く。
歌舞伎役者を描いた浮世絵のコーナーでは、冊子に多数の絵を貼り付けたものも見られ、当時のファンの熱狂ぶりがうかがえる。また、郷土史家荒井とみ三(1902~71年)が高松の劇場のにぎわいをつづった著書も併せて紹介している。
担当の左海(さかい)きほ学芸員は「明治の高松のにぎわいや、庶民の娯楽として歌舞伎が身近だったこを知ってほしい」と話している。
入場料は一般300円ほか。問い合わせは高松市歴史資料館、電話087-861-4520。
(四国新聞・2024/08/15掲載)