放哉の句、涼やかに 土庄、記念館で風鈴展
香川県小豆郡土庄町で最期を迎えた漂泊の自由律俳人、尾崎放哉(1885~1926年)の資料を展示する同町の小豆島尾崎放哉記念館で、放哉の句を紹介する「俳句風鈴展」が開かれている。風鈴の短冊には、小豆島で詠んだ句が記されており、来館者は風に響く涼しげな音色とともに、自由律俳句の世界を楽しんでいる。8日まで。
同館は放哉のついのすみかとなった小豆島霊場58番札所・西光寺奥の院「南郷(みなんご)庵」を復元した施設。風鈴展は、放哉が1925年8月20日に入庵したのを記念し、2017年から毎年この時季に実施している。
風鈴は、水色や薄い黄色、ピンクなど涼やかな色合いのガラス製や、再生したペットボトルを使ったものなど計90個。同館の軒先や庭に飾り付け、短冊には「入れものが無い両手で受ける」「咳(せき)をしても一人」など放哉が小豆島で詠んだ句のうち、俳句雑誌「層雲」に掲載された216句を紹介。来館者は気になる作品を手に取ってじっくりと読み込んでいた。
同館の職員は「自由律俳句の世界に親しんでもらうきっかけになれば。気軽に立ち寄ってもらいたい」と話している。
庭の風鈴は自由に鑑賞できるが、館内への入場は中学生以上220円、小学生110円が必要。水曜休館。問い合わせは同館〈0879(62)0037〉(午前9時~午後5時)。
(四国新聞・2024/09/02掲載)