昭和初期に高松市の仏生山から塩江までを運行していた塩江温泉鉄道(ガソリンカー)の歴史と塩江の風景をたどる企画展が、10日から同市塩江町の市塩江美術館で開かれる。初公開となるガソリンカーの原寸大アート作品のほか、当時の町並みや少女歌劇団による公演が盛んに行われた温泉旅館など華やかな時代の塩江を伝える資料を展示する。9月23日まで。


現存する設計図を基に作ったガソリンカーの原寸大アート=高松市塩江町、市塩江美術館

現存する設計図を基に作ったガソリンカーの原寸大アート=高松市塩江町、市塩江美術館


 ガソリンカーは1929年から41年までの12年間、現在の琴電仏生山駅~塩江間の約16キロを運行。通学や塩江観光などの足として利用された。

 同展は瀬戸内国際芸術祭2019県内連携事業。塩江町地域おこし協力隊や香川大、香川高専などでつくる「ガソリンカー復元実行委員会」が復元を目指した取り組み過程で得た資料をはじめ、同美術館などが所蔵する写真、絵画など約60点を紹介する。

 見どころの一つ、ガソリンカーの原寸大アートは、現存する設計図を基に約4センチ角の木材を使って当時の車両(全長約8・3メートル、幅約2・2メートル、高さ約3・3メートル)のスケール感を再現。窓には、塩江中の生徒がカラフルな薄紙をちぎって塩江の名所や魅力を描き出したステンドグラス風の作品を飾り付けている。

 このほか、3Dプリンターで製作した模型車両をはじめ、塩江のまちを走るガソリンカーや当時の塩江温泉郷の風景を伝える絵はがきなどを展示。ガソリンカーに乗車経験のある住民に当時の様子や思い出などを聞いたインタビュー映像も上映する。

 12日午前10時から、段ボールに色を塗って立体ガソリンカーを作るワークショップ(先着16人、参加費500円)を開催するほか、17、18日には来場者を対象にしたミニガソリンカーの乗車体験イベントもある。ワークショップは事前に申し込みが必要。問い合わせは同美術館〈087(893)1800〉。

(四国新聞・2019/08/10掲載)

高松市塩江美術館


所在地 香川県高松市塩江町安原上602
開館時間 9:00~17:00
休館日 月曜日(祝休日の場合は開館、翌日休館)、年末年始(12月29日から1月3日)
TEL 087-893-1800

高松市塩江美術館


高松市塩江美術館

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