坂出市は10日、所有庭園で市指定文化財の香風園(香川県坂出市本町)内の池にニシキゴイ20匹を放流した。昨年、コイヘルペスが発生したため、すべてのコイを回収・処分して空になっていた池に、9カ月半ぶりに元気に泳ぐ色鮮やかな姿が戻った。


日本庭園を彩る色鮮やかなニシキゴイを放流する市職員ら=香川県坂出市本町、香風園


 同園では昨年11月、池で複数のコイが死んでいるのが見つかり、検査の結果、コイヘルペスウイルス(KHV)を検出した。池に残っていたマゴイやニシキゴイの成魚と稚魚を合わせ、約200匹を処分。今年6月に試験放流を行い、安全を確認した。
 今回、新たにコイを購入するために市が7月29日までにクラウドファンディング(CF)を行ったところ、18万6千円が集まった。これに市内企業からの寄付金30万円を活用。今月13日から17日まで同園で観月会が開かれるのに合わせ、一部の資金を使って20匹のニシキゴイを広島県の養魚場から先行購入した。
 この日は市職員ら4人が作業に参加。体長35~40センチの赤や白、黄金色のニシキゴイを1時間ほど水温に慣らした後、静かに池に放流した。今後、50匹を目標に順次放流する予定。
 同園を管理する市都市整備課は「香風園は中心市街地にある市民憩いの公園。さらにコイを増やし、彩りと情緒に富んだ風景を創出したい」としている。

(四国新聞・2024/09/11掲載)



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