香川県琴平町内の秋祭りを紹介する「琴平の祭り ちょうさ(太鼓台)展」が、同町の町立ギャラリー・ACTことひらで開かれている。古い写真や年代物のちょうさの飾り幕など貴重な展示品が、来場者を祭りムードに引き込んでいる。10月3日まで(水曜休館)。


年代物の飾り幕に見入る来場者=琴平町、ACTことひら


 展示は、祭り関係者でつくる実行委(香川真宏代表)が、地元の祭りの魅力を伝えようと毎年行っている。今回は、歴史的側面に光を当てた。
 琴平ゆかりの縫い師が手がけ、愛媛県新居浜市の太鼓台で使われていた飾り幕の「布団締め」は、大正時代に作られた逸品。金糸で丁寧に縫われた高さ1メートルを超える2体の竜が、剣や玉を手ににらみ合っている。坂出市の60代の男性は「こんな近くで見られることなんてないから、マニアにはたまらない」とうれしそうに話した。
 昭和期の琴平の祭りの写真や、昭和30年代まで使われていたちょうさの布団なども展示。地元の祭りの成り立ちを紹介したコーナーでは、町内で琴平地区だけが例大祭でなく「氏子祭り」となった由来を説明している。
 香川代表は「人口減少でちょうさの存続は危機的状況。展示を機に祭りの良さを再認識し、参加者や見物客が増えたら」と期待している。同町では10月1、2日に金刀比羅宮氏子祭と春日神社例大祭が開かれ、町内を太鼓台が練り歩く。

(四国新聞・2024/09/27掲載)



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