歌麿ら5人の作品集結 五大浮世絵師展-歌麿・写楽・北斎・広重・国芳 12日から高松市美術館
高松市美術館の特別展「五大浮世絵師展―歌麿 写楽 北斎 広重 国芳」(同館主催、四国新聞社共催)が12日から香川県高松市紺屋町の同館で開かれる。女性を優雅に描いた喜多川歌麿、役者絵で人気を博した東洲斎写楽、ユーモラスな画風の歌川国芳ら、江戸時代を彩った“五大浮世絵スター”の作品が集結する。12月8日まで。
浮世絵は、江戸から明治期にかけて庶民の娯楽として親しまれた。当時の世相や風景、話題の役者や芸者などが描かれ、最新の情報を得るツールでもあった。その斬新な構図や色彩は海外で高く評価され、ゴッホやモネら著名な画家に影響を与えたとされる。
今展では歌麿、写楽、国芳に加え、異彩を放った歌川広重、風景や花鳥などを独自に表現した葛飾北斎の5人による代表作を中心に約140点を紹介する。また、特別展示として市歴史資料館所蔵の3枚続きの国芳作品「大物浦平家亡霊図」なども展示する。
このうち、歌麿の「教訓親の目鑑 俗ニ云 ばくれん」は「こんな娘には育てないように」という教訓をテーマにしたシリーズの一つ。国芳の「相馬の古内裏」は巨大な骸骨が目を引く。北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」、広重の「東海道五拾三次之内 庄野 白雨」、写楽の「二世嵐龍蔵の金貸石部金吉」なども並ぶ。
担当学芸員は「当時の人が楽しみながら浮世絵を鑑賞していたのを追体験してほしい。くすっと笑える作品もあるのでぜひ足を運んで」としている。
入場料は一般1200円ほか。高校生以下無料。問い合わせは高松市美術館、電話087-823-1711。
会期中のイベント
■記念講演会「巨匠たちの競演―浮世絵は知れば知るほど面白い!―」 10月12日午後1時30分から/1階講堂/定員100人/無料/講師:川崎浮世絵ギャラリー学芸員・山本野理子
■ギャラリートーク(2階展示室、要観覧券) ①講師:学芸員/10月13日午後2時から②講師:ボランティアcivi/会期中の日曜・祝日の午後2時から(10月13日を除く)
■記念対談「江戸絵画入門編」 11月2日午後2時から/1階講堂/定員100人/無料/講師:前市美術館長・次田吉治、担当学芸員・石田智子
■エントランス・ミニコンサート「浮世絵に魅せられた作曲家たち」 11月30日午後1時30分から/1階エントランスホール/無料/出演は山下裕理(サクソフォーン)北野あゆな(クラリネット)坂本実優・小倉莉子・石上菜々子(ピアノ)
(四国新聞・2024/10/07掲載)