怪談の世界へようこそ 文学の怖い絵展 菊池寛記念館・来月1日まで
菊池寛記念館(高松市昭和町)で「文学の怖い絵展」と題した企画展が開かれている。芥川龍之介や川端康成ら近現代の文豪の怪談に使われた挿絵約160点を紹介。物語のワンシーンなどを独特のタッチで描いた作品が並び、日本文学の奥深い世界を伝えている。9月1日まで。
同展では約80の文学作品について、現代のイラストレーターらが手掛けた挿絵を中心に展示。怪談の内容もパネルで説明している。
このうち、男が女性から片腕を一晩借り受ける川端の「片腕」の絵(画・谷川千佳)は、女性の背景に無数の手が描かれており、見る人を怪談の世界へいざなうかのよう。芥川の「馬の脚」は、手違いであの世に送られた男が馬の脚を付けられる物語。挿絵(画・中川学)には妻に脚を隠そうとする男の滑稽な姿が描かれている。
このほか、2017年に直筆原稿が公開された菊池寛の怪奇小説「妖妻記」の挿絵などを紹介しており、怖い話を好んだ寛の一面がうかがえる。担当者は「挿絵をきっかけに文学作品に興味を持ってもらえれば」と話している。
18日午後2時から「ちょっと怖い朗読とクラシックギター演奏会」。20日は午後2時からアマチュア落語家の「幽涼み寄席」がある。入場料は一般200円ほか。問い合わせは同館、電話087(861)4502。
(四国新聞・2019/08/15掲載)
菊池寛記念館
所在地 | 香川県高松市昭和町1-2-20 サンクリスタル高松3階 |
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営業時間 | 09:00~17:00 |
定休日 | 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日から1月3日) |
TEL | 087-861-4502 |