文芸春秋の漫画雑誌「漫画読本」と「文芸春秋漫画賞」を紹介するコレクション展が、香川県高松市昭和町の菊池寛記念館で開かれている。昭和から現代に至るまでの漫画史や作風の変遷をたどる貴重な展覧となっている。11月4日まで。


文芸春秋の漫画雑誌「漫画読本」の歩みが分かるコレクション展=香川県高松市昭和町、菊池寛記念館

文芸春秋の漫画雑誌「漫画読本」の歩みが分かるコレクション展=香川県高松市昭和町、菊池寛記念館


 「漫画読本」は1954年12月に文芸春秋新社が創刊。翌年に漫画賞が創設され、2001年の廃止までに「サザエさん」で知られる長谷川町子ら72人の受賞者を誌面上で発表してきた。本展では同誌など25冊を紹介、一部はページを開いて展示している。
 第1回を受賞したのが昭和を代表する加藤芳郎。受賞作「ウレシイじゃありませんか」の表紙にはデフォルメされた人物が描かれ、加藤作品の特徴が浮かび上がっている。また、56年3月号に掲載された長谷川の「夫婦共稼ぎはうまくいくか」は、共働き夫婦の様子をコミカルに表現、ストーリーも楽しめる。
 このほか、映画化もされたけらえいこの「あたしンち」や、“不条理ギャグ”のパイオニアといわれる吉田戦車の代表作「伝染るんです。」などの受賞作も展覧できる。
 入場料は一般300円ほか。問い合わせは同館、電話087-861-4502。

(四国新聞・2024/10/27掲載)


菊池寛記念館



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