響き合う造形と光 彫刻家・速水史朗 坂出で個展 24日まで
97歳の現在も精力的に制作を続ける彫刻家の速水史朗(多度津町)の個展が、香川県坂出市駒止町のかまどホールで開かれている。半世紀以上にわたって取り組む「瓦シリーズ」をはじめ磁器の照明作品も並び、異なる素材が響き合う独自の空間を生み出している。24日まで。
個展は東京・銀座で毎年開いている一方、同ホールでも2年に一度開催。今回は県内で未発表の作品を中心に約40点が並んでいる。
会場で目を引くのは、2000年代に手がけた磁器の照明作品。岐阜県のちょうちんメーカーと商品開発する中で作られたといい、山や卵を思わせる速水の造形と光が融合し、幻想的で温かい雰囲気を醸している。
16センチ四方の瓦のピース約130個を並べたインスタレーション「KAWARA2023」も紹介。一部の瓦はあえて焼きむらを付け、一つだけ鉄のピースも入れることで、独特のリズム感を生み出している。香川の風景を柔らかいタッチで描いたアクリル画も見どころ。速水は「明かりと立体、瓦と鉄など組み合わせの面白さを感じてほしい」と話している。
16日に一部展示替えを行う。17日午後2時からギャラリートーク。入場料は一般300円ほか。問い合わせは同ホール、電話0877-46-2178。
(四国新聞・2024/11/07掲載)