香川県高松市の田淵太郎の陶芸作品と、その作品をモチーフに兵庫県の岡本尚子が描いた絵画を紹介する2人展が、香川県高松市塩江町の高松市塩江美術館で開かれている。


「焼き物の美しさや力強さ、表情を感じて」と話す田淵=香川県高松市塩江町、市塩江美術館

「焼き物の美しさや力強さ、表情を感じて」と話す田淵=香川県高松市塩江町、市塩江美術館


 塩江に工房を構える田淵は、まき窯で100時間かけて白磁を焼き上げる独自のスタイルを確立。岡本は約5年前から田渕の作品を基に油彩画を描くようになったという。
 田淵は器やオブジェなど約30点を出品。炎の当たり方や灰によって生み出された豊かな風合いが目を引く。黒っぽいグラデーションや淡いピンク色などが浮かび上がり、まき窯によって偶然生まれる“景色”を一望できる。
 岡本の作品は約10点並び、このうち「UTSUWA―#14」はぐい飲みがモチーフ。底の一点を拡大して描いており、深い青色の水が波打っているようにも見える。写真のような具象画でありながら抽象画のようでもあり、鑑賞者を不思議な感覚にいざなう。
 田淵は「展示を通じて、焼き物の美しさや力強さ、表情を感じてもらえれば」と話している。
 23日午後2時から田淵による展示解説。入場料は一般300円ほか。問い合わせは高松市塩江美術館、電話087-893-1800。

(四国新聞・2024/11/14掲載)


高松市塩江美術館公式サイト



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