笑うバルーンに自身投影 瀬戸芸参加・松井えり菜(岡山出身)高松で作品展
来年の瀬戸内国際芸術祭に参加する岡山県出身の画家・松井えり菜の作品を紹介する特別展示が、香川県高松市紺屋町の市美術館エントランスホールなどで開かれている。「自身の投影」というウーパールーパーをプリントした巨大なバルーンや、洋画家の高橋由一からオマージュを受けて制作した作品などが並び、美術ファンらの興味を誘っている。
松井は東京を拠点に活動。2004年に村上隆主宰の「GEISAI」で金賞を受賞し注目を集めた。自画像の表現の可能性を模索し続け、国内外の展覧会で発表するなど、精力的な作家活動を展開している。
松井は小学生のころに「似ている」と言われたことからウーパールーパーを題材にした作品を制作。同美術館では幅約4メートル、高さ約3メートルと、幅、高さ各約1メートルのバルーン3体を展示。いずれの作品も笑みを浮かべているようにも見え、愛らしさが醸し出されている。
高松丸亀町商店街の同館ブランチギャラリーでは、「アイラブ由一(アイラブユーイチ)展」を開催。「由一の代表作『鮭』の続きを考える」をテーマにしたワークショップで、子どもたちが制作した絵画のコラージュを展示。食べられて骨だけになったサケや、こいのぼりのように飾られている姿など想像力あふれる作品が目を引く。
また、松井が由一から影響を受けて描いた新作など4点も展示。由一の「花魁(おいらん)」をモチーフに制作した「おーい、花魁」は、髪飾りにウーパールーパーが載っていて、独特の世界観が広がっている。
バルーンの展示は12月8日まで、「アイラブ由一展」が来年1月26日まで。入場無料。問い合わせは同館、電話087-823-1711。
(四国新聞・2024/11/15掲載)