香川県さぬき市大川町の南川地区で生産された今年の自然薯(じねんじょ)の販売が29日に始まる。猛暑や少雨、イノシシやサルの食害などの影響が出たが、品質は例年通り上々。「南川自然薯の粘りや甘みを多くの人に届けたい」と農家は連日、販売開始に向けて出荷作業に汗を流している。


今季の自然薯の出来栄えを確認する南川自然薯研究会のメンバー=香川県さぬき市大川町

今季の自然薯の出来栄えを確認する南川自然薯研究会のメンバー=香川県さぬき市大川町


 同地区の自然薯栽培は、水はけの良い土質や昼夜に寒暖差がある地域特性を生かし、1987年にコメに替わる作物としてスタートした。89年からは地元農家が南川自然薯研究会(高嶋宏会長)を結成し、栽培・普及に取り組んで、現在では県内外でも有数の産地となっている。
 今季は、同研究会の30~70代の会員10人が計約0・5ヘクタールで、昨年より千本少ない約5千本を栽培。13日には、約1500本を定植した小倉広士さん(33)の畑で出来栄えを確認する初掘りを行い、土の中に埋めたパイプの中で成長した長さ60~80センチほどの自然薯を次々と掘り起こしていった。
 同会によると、猛暑と少雨の影響に加え、イノシシやサルの食害で生産効率は低下しつつあるという。高嶋会長は「おいしい南川の自然薯を残したい一心で栽培している。昨年に比べて数は少なめだが、多くの人に味わってほしい」と話した。
 販売は同地区の南川自然の家で29日午前9時から始める(火曜定休)。なくなり次第終了で、昨年は1週間程度で売り切れた。価格は「秀」「優」「2級」など等級によって異なり、1キロ当たり3400円(秀)~2400円(2級)。販売期間中の問い合わせは南川自然の家0879-43-3064。

(四国新聞・2024/11/26掲載)



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