旧小学校にスイーツ工場 雇用とにぎわい創出 三豊・大浜地区 開業1年余 ネットで人気、直売も
香川県三豊市詫間町の荘内半島に位置する大浜地区で、旧大浜小学校の校舎がスイーツ製造工場に生まれ変わり、脚光を浴びている。チョコレートや焼き菓子を製造し、インターネット通販を中心に併設の直売店でも販売。地域の雇用創出やにぎわいづくりに貢献しており、各自治体が苦慮している廃校活用、公共施設再配置の事例としても注目されている。
スイーツ工場を運営する企業は、ネット通販やコンサルティング事業などを幅広く手がける2015年設立の「本気モード」(同市、樋口憲一代表取締役)。
19年に閉校した大浜小の跡地の約2万平方メートルを一般競争入札で落札し、23年4月に取得。「大浜スイーツアカデミー」と名付け、改修後の同7月からスイーツの製造に乗り出した。平屋建ての校舎の外観はそのままにし、教室などを各製造過程の作業場や冷蔵庫、冷凍庫、倉庫、オフィスとして活用している。
地元産フルーツなどを使った割れチョコのシリーズをはじめ、100種類以上の和洋菓子を製造。チョコレートの生産量は年間240トン、約100万個に上り、四国最大級となっている。
今年3月には体育館入り口フロアを改装して直売店「MOZAIK(モザイク)ストアー大浜」をオープンした。割れチョコや和三盆を使ったクッキー、クロワッサン生地のたい焼きといった多彩なオリジナル商品を並べ、観光客にも人気だ。
自社製品以外に、日替わりで納入される弁当や総菜のほか、パンや調味料、駄菓子、地元産の野菜などを販売。過疎化、高齢化が進む大浜地区は近くに商店が少ないことから、買い物に困っていた住民に喜ばれている。営業時間は午前9時半~午後4時。火曜定休。
従業員は地元在住者を積極的に雇用しており、旧大浜小の卒業生も多く働いている。住民参加のイベントも企画し、地域との絆を強めている。
(四国新聞・2024/11/29掲載)