流動する色 屋島を表現 流麻二果(高松出身)が個展 新作油彩画など21点 来年3月2日まで四国村ミウゼアム
独自の色彩感覚が評価を受ける香川県高松市出身の美術家・流麻二果の個展「讃岐の色 香川の色」が、同市屋島中町の四国村ミウゼアム内・四国村ギャラリーで開かれている。多彩な色を用いて屋島の風景を表現した油彩画の新作など21点を展示。建築家・安藤忠雄が設計したギャラリーを会場に、豊かでみずみずしい色彩空間が広がっている。2025年3月2日まで。
流は同市庵治町にアトリエを構えた彫刻家・故流政之の長女。美大卒業後、文化庁の研修員として米国で制作発表するなど精力的に活動し、国内外の美術館に作品が収蔵されている。今回の個展は父・政之の作品が四国村ミウゼアムに収蔵されている縁から実現した。
流の作風は、キャンバス上に絵の具を塗り重ねて色をつくるのが特徴で、生地を何度も漬け込んで着色する日本の染織技法から着想を得たという。メインの「八島の色」(2024年)は、屋島で古来から見られる風景をモチーフに描いた8枚の連作。青や緑、オレンジ色などが画面を流動するように塗られ、穏やかな海や朝焼けの空といったさまざまな情景を想起させる。
香川誠陵中・高と高松工芸高の生徒26人を対象に行ったワークショップの作品も紹介。光を透過するシートを用いて生徒が考える「香川の色」を表現したもので、日差しが入る通路の窓に貼り付けることで、カラフルな光のアートを映し出している。
流は「瀬戸内海は季節や時間帯によって多彩な変化が見られ、私にとっての原風景でもある。この地に思いをはせた作品に触れてほしい」としている。
入村料は一般1600円ほか。問い合わせは同ギャラリー、電話087-843-3111。
(四国新聞・2024/11/29掲載)