ガラス窓から見える店内には、ずらりと並んだ焼きたてパンと笑顔の人々。高松市中心部の商店街に面し、移りゆく街を見守る。


おなじみのフランスパンやスイートポテトを中心に、種類豊富なパンが並ぶ

おなじみのフランスパンやスイートポテトを中心に、種類豊富なパンが並ぶ


 戦後すぐ、4代目の千切谷耕一郎さん(53)の祖父が「新しい時代にちょっとしたぜいたくを」と洋菓子店をオープン。1969年にはパンの販売も始めた。
 転機は、再開発で移転を余儀なくされた2021年。まちのパン屋として定着しただけに不安は大きかったが、モダンな外観や包装紙の梅の花柄を現代風に落とし込んだロゴで若者の心をつかみ、客層を広げた。


2021年に旧店舗の向かい側に移転。幅広い客層に合わせて工夫を凝らす千切谷さん

2021年に旧店舗の向かい側に移転。幅広い客層に合わせて工夫を凝らす千切谷さん


 「昔からのお客さまに愛されて今がある」と千切谷さん。名物のフランスパンやスイートポテトは50年以上変わらぬ味を貫く一方、小豆入りの食パンやプリンなど新作も次々と生み出す。「新しいけど懐かしい。そんな店になっていればうれしい。これからも挑戦を続けていけたら」

(四国新聞・2024/12/08掲載)

春風堂 南新町店


所在地 香川県高松市南新町8-30
営業時間 午前6時半~午後8時(日曜、祝日は午前7時から)
定休日 無休
TEL 087-861-5575


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