四国初詣ガイド2025 新年、ヘビー級の幸せを
2024年が暮れようとしている。能登半島地震の発生に始まり、日航機と海上保安庁機の衝突、能登豪雨、相次ぐ「闇バイト」事件などと暗いニュースが多く思い起こされる一年だったが、パリ五輪での日本選手の活躍や日本原水爆被害者団体協議会(被団協)のノーベル平和賞受賞は、日本人として誇らしい気持ちにさせてくれた。来る25年の干支(えと)は「巳(み)」。ヘビは古来より信仰の対象であるほか、脱皮を繰り返すことから「再生」と「復活」を連想させる。「新年は再生、復活し、躍進の年に」と願わずにいられない。県内を中心に四国の初詣スポットを紹介する。
香川県
石清尾八幡宮(香川県高松市宮脇町)
「石清尾さん」などと呼ばれ、高松市民の氏神様として広く親しまれる神社。毎年大勢の参拝客でにぎわう。31日午後3時から大はらい式を行い、同11時半ごろからぜんざいや豚汁、清酒を振る舞う。元日午前0時前から参拝客と一緒にカウントダウンを行い、鏡開きなどで新年の幕開けを祝う。歳旦祭は同午前7時から。
【メモ】JR栗林公園北口駅から徒歩約10分。周辺では31日から3日にかけて交通規制があり、同宮駐車場は利用不可。亀岡公園東側の御旅所などを臨時駐車場とし、JR高松駅から同宮までを結ぶ無料のシャトルバスを運行する。問い合わせは石清尾八幡宮、電話087-862-5846。
八栗寺(香川県高松市牟礼町)
商売繁盛や学業成就、縁結びの御利益で知られる「八栗の聖天さん」。31日午後11時から除夜の鐘突きの整理券を先着108人に配布し、鐘を突いた参拝客に同寺オリジナルの「福銭」などを振る舞う。三が日は本尊の聖観音や多宝塔の大日如来を開帳。来年の干支にちなみ、ヘビの絵柄の切り絵(200枚限定、奉納料千円)を授与する。
【メモ】琴電八栗駅から八栗ケーブル登山口駅まで徒歩約20分。同山上駅から徒歩約5分。31日午後10時~元日午後6時は同ケーブル付近で交通規制がある。裏参道は3日午後6時まで車両通行止め。問い合わせは八栗寺、電話087-845-9603。
田村神社(香川県高松市一宮町)
「讃岐一宮」と称され、水神を祭る神社としても知られる。家内安全や安産、合格などを祈願しようと、市内外から多くの参拝客が訪れる。31日午後2時から大はらい式、新年を迎えると同時に初祈とうを行う。元日は午前6時から境内でうどんの販売もある(無くなり次第終了)。本殿前には恒例の干支にちなんだ巨大な絵馬を飾っている。
【メモ】高松自動車道高松西ICから車で約10分。琴電一宮駅から徒歩約10分。県農協高松市中央一宮支店とコープ一宮に臨時駐車場を確保しており、利用期間は1~5日(コープ一宮は3日まで)。問い合わせは田村神社、電話087-885-1541。
国分寺(香川県高松市国分寺町)
四国霊場80番札所。境内全体が国の特別史跡で、本堂、本尊、釣り鐘はいずれも国の重要文化財に指定されている。除夜の鐘突きは元日午前0時から同1時まで。お守りなどを買い求めた人に、購入額に応じて来年の干支「巳」にちなんだオリジナルの布製バッグ(600枚限定)や縁起物のお菓子をプレゼントする。境内には同寺にまつる弁財天と白蛇をモチーフにした顔出しパネルを設置する。
【メモ】JR国分駅から徒歩約5分。高松自動車道高松西ICから車で約20分。問い合わせは国分寺、電話087-874-0033。
屋島寺(香川県高松市屋島東町)
屋島南嶺にある四国霊場84番札所。初詣と兼ねて初日の出を拝もうと、例年大勢の参拝客でにぎわう。本尊の「十一面千手観音」は弘法大師が制作したといわれており、国の重要文化財に指定されている。宝物館には源平合戦に関する宝物などを収蔵しており、屋島や寺の歴史に触れることができる。山上からは瀬戸内海の多島美や市街地を一望でき、近くには屋島山上交流拠点施設「やしまーる」や新屋島水族館もある。
【メモ】JR、琴電の両屋島駅から屋島山上まで車で約10分。山上には駐車場(有料)がある。問い合わせは屋島寺、電話087-841-9418。
長尾寺(香川県さぬき市長尾西)
四国霊場87番札所。739(天平11)年、行基が霊感を得て本尊となる聖観世音菩薩像を刻み、堂宇を建立して安置したのが始まりとされる。三が日は境内にある開運石にぶつけ厄をはらう厄よけ玉(1個300円)を授与するコーナーを設ける。甘納豆おはぎも販売し、小豆(2個入り200円)、黒豆(2個入り300円)を用意。三味線餅つきや大鏡力餅運搬競技は今回も執り行わない。
【メモ】高松自動車道志度ICから車で約10分。琴電長尾駅から徒歩約3分。問い合わせは同寺、長尾寺0879-52-2041。
大窪寺(香川県さぬき市多和)
女体山(標高776メートル)の麓にある四国八十八カ所霊場の結願寺。四国遍路の長旅を終えたお遍路さんがかさや金剛づえを納めて帰路に就くことで知られる。讃岐山脈の山々に囲まれた境内では、除夜の鐘が幻想的に鳴り響き、厳かな気持ちで新年を迎えることができる。日中、門前の飲食店は営業しており、名物の打ち込みうどんなどを味わい、心も体も温める人も多い。
【メモ】高松自動車道志度ICから車で約40分。JR志度駅などから市コミュニティバスも運行。問い合わせは大窪寺、電話0879-56-2278。
与田寺(香川県東かがわ市中筋)
厄よけ寺として知られる四国霊場八十八カ所の奥の院。ここ数年同様、新型コロナウイルスやインフルエンザといった感染症対策として、厄よけ祈願(受付時間は午前8時~午後4時)は、本人または代理人のみが本堂に立ち入れる形式を継続する。三が日が晴天の場合は例年通り、普段見ることができない多宝塔を開帳する。3日午後1時からは柴燈(さいとう)大護摩供養が厳かに営まれる。
【メモ】高松自動車道白鳥大内ICから車で約3分。約600台分の無料駐車場がある。最寄り駅はJR三本松駅。問い合わせは与田寺、電話0879-25-4726。
東照寺(田ノ口薬師)(香川県東かがわ市白鳥)
厄よけの「田ノ口薬師」として知られ、日本三薬師の一つ。本尊の秘仏「薬師瑠璃光(るりこう)如来」は、弘法大師空海が満濃池を修築後に同寺に立ち寄って作り上げたとされる。新型コロナウイルスなどの感染症対策として、本堂への立ち入りは今回も厄よけ者のみに限定する。地下の回廊巡りや本堂前の石臼に数え年分のさい銭を入れてきねでつく習わしは参拝者全員が体験できる。
【メモ】高松自動車道白鳥大内ICから車で約10分。最寄り駅はJR讃岐白鳥駅。問い合わせは東照寺、電話0879-25-4817。
白鳥神社(香川県東かがわ市松原)
日本武尊(やまとたけるのみこと)が白鳥になって舞い降りたという伝説が残る。干支の「巳」があしらわれたジャンボ絵馬(高さ5・5メートル、幅7・5メートル)が設置され、元日午前0時から願い事を自由に書き込める。新年の幕開けから2時間程度、甘酒やお茶など温かい飲み物の接待もある。3日は恒例の新年弓道大会が開かれる。境内には日本一低いとされる御山(標高3・6メートル)があり、社務所で登山証を発行する。
【メモ】高松自動車道白鳥大内、引田両ICから車で約10分。最寄り駅はJR讃岐白鳥駅。問い合わせは白鳥神社、電話0879-25-3922。
白峯寺(香川県坂出市青海町)
四国霊場81番札所で、崇徳上皇の菩提(ぼだい)寺。本堂や上皇を祭る頓証寺殿(とんしょうじでん)、客殿(書院)など9棟が国の重要文化財に指定されている。31日午後11時50分ごろから除夜の鐘を突くことができ、参加者には干支の土鈴が記念品として贈られる(数量限定)。三が日の特別ご祈とう・おはらいは午前9時から午後4時まで、30分ごとに受け付け。初護摩祈とうは三が日とも午後2時ごろから。お守りや縁起物の授与は始まっている。
【メモ】高松自動車道の坂出、高松西、高松檀紙各ICから車で約20分。駐車場は約250台分。問い合わせは白峯寺、電話0877-47-0305。
郷照寺(香川県綾歌郡宇多津町)
青ノ山の麓の高台にある四国霊場78番札所。815年に弘法大師空海が訪れて厄よけの誓願をしたことから、「厄よけうたづ大師」として信仰を集める。31日夜から3日夜まで、約500年前に造られた池泉鑑賞式庭園をライトアップ。31日午後11時45分ごろから除夜の鐘を突き始め、参加者には記念品を贈る。厄よけの祈とうは三が日が午前8時~午後5時、4日以降は午前9時~午後4時に受け付ける。
【メモ】JR宇多津駅から車で約5分、徒歩約15分。高松自動車道坂出ICから車で約10分。問い合わせは郷照寺、電話0877-49-0710。
滝宮天満宮(香川県綾歌郡綾川町滝宮)
菅原道真が讃岐国司に任じられた際の居住地跡と伝えられており、学問の神様ゆかりの地として大学や高校などの入試を控えた大勢の受験生と保護者らが合格祈願などのため訪れる。三が日には、「福」の文字が入った福あめの振る舞いがある。1月25日の初天神祭で行うお焚(た)き上げは、同宮で配布したお守りやしめ縄などに限って受け付ける。ぜんざいなどの接待は今年も行わない。
【メモ】琴電滝宮駅から徒歩約5分。高松自動車道府中湖スマートICから車で約5分。問い合わせは滝宮天満宮、電話087-876-0199。
金刀比羅宮(香川県仲多度郡琴平町)
「こんぴらさん」の愛称で親しまれ、本宮まで785段、奥社まで1368段ある石段が有名。初詣には県内外から大勢の参拝客が訪れる。31日午後5時から本宮で大はらえ式、元日午前0時からは新年最初の祭事である歳旦祭が営まれるほか、限定御朱印やこんぴら狗(いぬ)のぬいぐるみくじなどの授与を始める。31日夜から3日午後8時までは大門を開門しており、夜間参拝も可能。
【メモ】JR、琴電の両琴平駅から表参道までは徒歩約15分。高松自動車道善通寺ICから車で約15分。問い合わせは金刀比羅宮、電話0877-75-2121。
総本山善通寺(香川県善通寺市善通寺町)
弘法大師空海の生誕地として知られる真言宗善通寺派の総本山。元日午前0時からは新年最初の法要「修正会(しゅしょうえ)」が営まれるとともに、年明けうどんの接待(限定千食)、干支の限定御朱印授与(500円)が始まる。正月特別護摩祈とうもあり、元日は午前0時から同2時までと同9時から午後4時まで、2、3日は午前9時から午後4時まで実施する。
【メモ】高松自動車道善通寺ICから車で約10分。JR善通寺駅から徒歩約15分。中央小学校に臨時駐車場(有料)。問い合わせは総本山善通寺、電話0877-62-0111。
金倉寺(香川県善通寺市金蔵寺町)
四国霊場76番札所。天台宗寺門派の宗祖である智証大師円珍の生誕地で、旧陸軍第11師団長時代の乃木希典が寄宿していたことでも知られる。境内には、大みそかに訪ねてきた妻を追い返したという「乃木将軍・妻返しの松」も残る。元日午前0時から餅やお守り札を数量限定で配るほか、三が日は午後3時から正月初護摩供養を実施する。
【メモ】高松自動車道善通寺ICから車で約5分、JR金蔵寺駅から徒歩約10分。三が日の間は駐車場が無料となる。問い合わせは金倉寺、電話0877-62-0845
讃岐宮県護国神社(香川県善通寺市文京町)
敷地面積約3・4ヘクタールの境内は木々に包まれ、厳かな雰囲気が漂う。本宮には、明治維新以来の県出身の戦没者が祭られている。このほか境内には日本一社交通神社、警察消防招魂社などもある。元日午前0時からは、毎年恒例の龍神太鼓の初打ちと居合演武、新春福引(先着800人)を実施。2日午前10時からは尺八演奏の奉納が行われる。三が日はキッチンカーの出店も。
【メモ】高松自動車道善通寺ICから車で約10分。JR善通寺駅から徒歩約10分。問い合わせは讃岐宮県護国神社、電話0877-62-0048
大水上神社(香川県三豊市高瀬町)
水の神様として古くから信仰を集め、「讃岐一宮」の田村神社(高松市)に対し、「讃岐二宮」として親しまれている。31日午後11時半から地元の和太鼓集団「響屋(おとや)」の年越しライブ。31日夜から元日未明にかけて和傘などのライトアップを行う。年末年始では初めてキッチンカーが出店する。2台が年越し時間帯と元日に営業する予定。
【メモ】高松自動車道さぬき豊中ICから車で約15分。問い合わせは大水上神社、電話090-1574-7832。
琴弾八幡宮(香川県観音寺市八幡町)
観音寺市のシンボル、銭形砂絵「寛永通宝」を望む琴弾山に鎮座する。本殿へは琴弾公園入り口の大鳥居から381段の石段を上る。元日から3日まで新年祈願祭。各日午前9時から本殿で新年の祈とうを行う。6、7日に交通安全祈願祭。銭形砂絵は、市観光協会が夜間ライトアップの色を通常のグリーンから黄金色に似たオレンジ色に変更している。点灯時間は日没から午後10時まで。27日~5日は日没から夜明けまで。
【メモ】高松自動車道さぬき豊中、大野原両ICから車で約15分。JR観音寺駅から徒歩約15分。問い合わせは琴弾八幡宮、電話0875-25-3828。
雲辺寺(徳島県三好市)
香川県観音寺市大野原町との県境の標高911メートルに位置する四国霊場66番札所。お守りの「福袋」を昨年に続いて三が日にそれぞれ限定7袋用意する。三が日限定の御朱印入り。雲辺寺山頂公園では雪遊び、そり遊びを楽しめるスポットが年末年始は28日~5日(元日は除く)に開設される。気温が平地より7度くらい低く、防寒対策が必要。
【メモ】高松自動車道大野原ICから雲辺寺ロープウェイ山麓駅まで車で約15分。ロープウエーの運行時間は午前8時~午後5時で、元日のみ午前6時~午後6時。問い合わせは同寺〈0883(74)0066〉、雲辺寺ロープウェイ、雲辺寺0875-54-4968。
徳島県
薬王寺(徳島県海部郡美波町)
四国霊場23番札所。厄よけ寺として知られ、県内外から大勢の参拝客が訪れる。42段の男厄坂、33段の女厄坂、61段の還暦坂があり、厄年の人は1段ごとにさい銭を置いて厄払いする。31日午後11時半ごろから越年護摩供法要が営まれる。除夜の鐘は同11時45分から受け付け、先着107人が突くことができる。
【メモ】JR日和佐駅から徒歩約10分。周辺に500台分の無料駐車場。問い合わせは薬王寺、電話0884-77-0023。
大麻比古神社(徳島県鳴門市)
大麻比古大神と猿田彦大神を祭る。阿波国の一ノ宮として「おおあささん」と親しまれている。31日午後3時から師走の大はらえがあり、罪やけがれをはらい清める。元日午前0時に若水奉献、同6時から歳旦祭、2日午前10時から氏子崇敬者隆昌・交通安全祈願祭、3日午前10時から元始祭がある。
【メモ】JR板東駅から徒歩約20分。駐車場は約千台分。一部交通規制あり。問い合わせは大麻比古神社、電話088-689-1212。
愛媛県
県護国神社(愛媛県松山市)
31日午後11時半から除夜祭。太鼓を365回打ち鳴らす歳旦報鼓の後、開門し、元日午前0時から歳旦祭を行う。2日午前10時から新春献花祭、同10時半から新春居合道の奉納。3日午前10時から元始祭。恒例の尺八献奏は中止。混雑を避けるため、今回もちょうずは停止、臨時鈴はなし。参拝は一方通行で。
【メモ】伊予鉄市内電車赤十字病院前から徒歩約10分。駐車場は境内に約200台分。問い合わせは県護国神社、電話089-925-2353。
和霊神社(愛媛県宇和島市)
31日午後4時から大はらい式、除夜祭があり、同11時ごろからかがり火をたく。年明けに合わせ伊予神楽の舞い初め、歳旦祭、新年祈願祭を執り行う。古いお札などを燃やす「古神符焼上の儀」は1月10日午後3時半から。同中旬ごろまで花ちょうずで参拝者を迎える。正月の授与品は年内から準備している。
【メモ】JR宇和島駅から徒歩約8分。神社と周辺に約60台駐車できる。問い合わせは和霊神社、電話0895-22-0197。
高知県
定福寺(高知県大豊町)
724年に行基によって創建されたと伝わる真言宗の古寺で、豊永郷民俗資料館も併設されている。31日午後5時ごろから除夜の鐘。住職が最初に鐘を突いた後、参拝者も順次突ける。護摩祈とうは同5時ごろからと、1~3日午前9時、午後1時から行う。1~3日には交通安全の祈とうも行われる。
【メモ】高知自動車道大豊ICから車で約30分、JR豊永駅から徒歩約30分。国道32号を豊永から国道439号に入り、京柱峠方面へ約2キロ。駐車場は約40台分。問い合わせは定福寺、電話0887-74-0301。
土佐神社(高知県高知市)
開運招福の神様、味鋤高彦根神(あじすきたかひこねのかみ)と一言主神(ひとことぬしのかみ)を御祭神とする。31日午後4時から大はらい式。同11時半から除夜祭。元日は午前10時から歳旦祭で巫女(みこ)が神楽舞を奉納。同11時から居合、午後3時からは再び神楽舞が行われる。
【メモ】高知自動車道高知ICから車で約5分。JR土佐一宮駅から北へ1.5キロ。問い合わせは土佐神社、電話088-845-1096。
(四国新聞・2024/12/26掲載)