かがわの老舗 レトロを歩く=田井民芸(香川県三豊市三野町)1868(明治元)年創業 「張り子虎」丹念手作り
男児の健やかな成長を願い、端午の節句などに家庭で飾られてきた県伝統工芸品「張り子虎」。明治初期に創業してから150年以上にわたって、昔ながらの製法を守り続けている。
現在は、県伝統工芸士で5代目の田井艶子さん(77)が、長年アシスタントを務める綾静子さん(72)と2人で工房を切り盛りしている。
子どもが乗れる1メートルほどのサイズから、全長7センチほどの豆虎までさまざまだ。製作は全て手作業。木型に和紙を張り重ねて型を取り、カキの殻を砕いた「胡粉(ごふん)」と呼ばれる粉に膠(にかわ)を混ぜ合わせた上薬を塗り、乾燥させた後で絵付けをする。年に約千個の虎を製作する。
「受け継いだ技と文化をしっかりと次の世代につなげていきたい」と田井さん。工房で絵付け体験(予約制)を行うほか、地元の三野津中学校で年1回絵付け教室を開いている。
(四国新聞・2025/01/26掲載)
田井民芸
所在地 | 香川県三豊市三野町下高瀬426−6 |
---|---|
営業時間 | 午前9時~正午、午後1時半~5時 |
定休日 | 土日祝日 |
TEL | 0875-72-4978 |