かがわの老舗 レトロを歩く=冨久ろ屋(香川県高松市)1917(大正6)年創業 四季の移ろい感じる上生菓子
陳列棚には色とりどりの和菓子。茶道の文化が盛んな高松の街で、お茶菓子として愛される逸品を生み出している。4代目の木野戸秀行さん(68)は「和菓子には、昔の人の思いが込められたものがいくつもある。時代の変化に寄り添いつつ、伝統を守っていきたい」と語る。
卸業として創業。1949年に現在の場所に店を構えるとともに小売業に転換を図った。まもなくして茶道家との付き合いが生まれたのを機に、茶会や稽古の場で需要が拡大。商品数は徐々に増え、今も県内外から多くの注文を受ける。
「雪椿」「梅衣」「残りの雪」―。店頭には四季の移ろいを感じる上生菓子がそろう。季節感、見た目、味すべてを意識した繊細で美しい一品は、食べる人をとりこにする。「香川の茶道文化がこの先もずっと残るよう、和菓子屋としてできることを続けられたら」
(四国新聞・2025/02/23掲載)
冨久ろ屋
所在地 | 香川県高松市片原町10-16 |
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営業時間 | 午前9時~午後6時半 |
定休日 | 不定休 |
TEL | 087-821-3011 |