昔懐かし駄菓子1000種類 観音寺で人気の小売店 週末は県内外からどっと
「蒲(かば)焼さん太郎」「うまい棒」「ポテトフライ」「セコイヤチョコレート」などなど、子どもはわくわく、大人は昔懐かしいあの味が健在―。観音寺市吉岡町に千種類以上の商品を扱う駄菓子屋が登場し、幅広い世代から人気を集めている。地元で長年続く菓子問屋が地域住民の要望を受けて始めた小売店で、会員制交流サイト(SNS)や口コミで評判が広がった。週末は県内外から1日に200~300人の客が訪れている。
一見、駄菓子屋には見えない倉庫のような建物に入るとガムやキャンディー、スナック菓子といった色とりどりの商品がずらりと並ぶ。スーパーボールなどおもちゃも売っている。
店の名前は「駄菓子屋ひなた」。菓子問屋「荻田商店」が、商品の保管などに使っていた建物を活用して昨年9月に開いた。
店内は親子連れでにぎわう。インスタグラムで知ったという愛媛県四国中央市から家族3人で訪れた大山広宣さん(29)は「懐かしい思い出の駄菓子がいっぱい。当たり付きもある。普段スーパーでは買えないので友だちへのお土産も買いたい」と胸を躍らせた。
荻田商店は約100年前から続いているが、近年、取引先の商店が後継者不足で次々と閉店。4代目社長の近藤泰子さん(55)が「このままだと先がない」と思っていたとき「駄菓子屋が身近にない」と話す地元の人の声を聞き、オープンを決めた。どの世代も楽しめるよう、せんべいやカステラ、酒のつまみも並べた。「憧れだった大人買い」と箱で買っていく成人客も多いという。
先般、ゴルフのAIG全英女子オープンで優勝した渋野日向子選手がラウンド中に駄菓子を食べる姿が話題になり、商品の問い合わせなどうれしい悲鳴も上げた。
近藤さんは「薄利多売ですね。『ありがとう』の言葉がうれしくて休みたくても休めない」と苦笑いし、手伝いを買って出ている夫の弘三さん(55)は「みんなが笑顔になってくれるとやりがいがある。駄菓子で世界を笑顔にしたい」と話している。
(四国新聞・2019/08/27掲載)
駄菓子屋ひなた
所在地 | 香川県観音寺市吉岡町938 |
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営業時間 | 9:00~17:00 |
TEL | 0875-25-3943 |