情熱と技巧のシンフォニー サックス・上野 指揮・三ツ橋 9日・高松 瀬戸フィル定演
香川県高松市を拠点に活動する瀬戸フィルハーモニー交響楽団の第42回定期演奏会が9日、同市のサンポートホール高松で開かれる。今回はゲストにサクソフォン奏者の上野耕平と指揮者の三ツ橋敬子を招へい。上野の高度なテクニックと三ツ橋の情熱的なタクトの共演が楽しめる。
2人はいずれも東京芸大出身。上野は2014年にベルギーの国際サックスコンクールで2位に輝いたほか、メディアにも多数出演しており、オーケストラとの共演などを通じてサックスの可能性を伝えている。指揮の三ツ橋は故小澤征爾らに師事し、過去にはイタリアの国際指揮者コンクールで最年少優勝した実力者だ。
プログラムは3曲構成で、注目は四国初公開となる「アルトサクソフォン協奏曲」(逢坂裕作曲、上野委嘱作品)。雄大で美しい旅を連想させる作品といい、上野の華麗なテクニックとオケの掛け合いが聴きどころ。ハチャトリアン作曲「剣の舞」では上野もオケに参加。最後はストラビンスキー「火の鳥」(1919年版)のドラマチックな旋律で締めくくる。
同楽団は「オーケストラではあまり見られないアルトサックスとの共演。吹奏楽ファンにもぜひ聴いてほしい」と呼びかけている。
大ホールで午後2時開演。入場料はS席4千円ほか。問い合わせは瀬戸フィルハーモニー交響楽団、電話087-822-5540。
(四国新聞・2025/03/06掲載)