浮かぶノグチの芸術観 生誕120年記念展 香川県立ミュージアム・13日まで
香川県高松市牟礼町で創作活動を行った世界的彫刻家イサム・ノグチ(1904~88年)の作品を集めた「アートコレクション 生誕120年記念イサム・ノグチ5 ひとがた」が県立ミュージアム(同市玉藻町)で開かれている。人の姿や形をテーマに、ブロンズ像などを展示。総合芸術家として活躍したノグチの芸術観が浮かび上がっている。13日まで。
同館はノグチの生誕120年を記念し、年間を通じて5期にわたってテーマ展を開催。5期目の今展では5点を紹介している。
抱き合う恋人をモチーフにしたテラコッタの像「こいびと」は抽象的な造形で親密な関係性を表している。土ならではのやわらかな雰囲気も印象的。ブロンズのオブジェ「ミラー」は、ノグチが友人のために作製した舞台装置が基になっている。鏡に映し出された若い女性の姿を表現しているという。
知人の画廊主の妻をモデルに、20代の時に制作したブロンズ像「ジョエラ・レヴィの肖像」や、デザインを手がけたオーディオモニター「ラジオ・ナース」なども興味を引く作品で、ノグチがあらゆる表現方法を追求してきたことがうかがえる。
入場料は一般410円ほか。問い合わせは県立ミュージアム、電話087-822-0247。
(四国新聞・2025/04/03掲載)
アート・コレクション生誕120年記念 イサム・ノグチ5「ひとがた」