香川県東かがわ市小海の松崎地区で「小海の松崎桜」と呼ばれるソメイヨシノがひそかに注目を集めている。人気の理由は住民が自前で行っているライトアップで、今回は子どもたちにも楽しんでもらおうと、造形作家の岡山富男さん=坂出市在住=の作品を展示。日が沈む頃に家族連れらが訪れ、優しく照らされた夜桜を写真に収めたり、作品鑑賞を楽しんだりしている。


ライトアップされた桜と造形作品を楽しむ家族連れ=香川県東かがわ市小海

ライトアップされた桜と造形作品を楽しむ家族連れ=香川県東かがわ市小海


 小海の松崎桜は、1993年の東四国国体の開催を記念して地区の敬老会が、県道40号(白鳥引田線)沿いに植えた。ライトアップは照明デザイナーの岡田成生さん(62)=同所=が2022年から手がけている。元々は桜の周辺に生い茂っていたササを刈ってくれた、近くの工藤照明さん(73)をねぎらうために始めたという。
 今年もライトアップの準備を進める中、岡田さんの知人で取り組みに賛同した岡山さんから、キリンや豚の動物オブジェ4体を借り受けて設置。うわさを聞きつけた家族連れらが、柔らかな光に照らされた3本のソメイヨシノとともに、ユニークな姿の造形作品を鑑賞しながら春の訪れを感じている。
 既に満開に近い状態を迎えているものの、10日ごろまで見頃が続くという。ライトアップの機材を自前で用意している岡田さんは、「小海の活性化につながればという思いが一番」と狙いを語り、「今回は岡山さんの作品も展示しているので子どもから大人まで楽しんでいただけたら」と話している。
 ライトアップは午後6時40分から同11時まで。場所は引田インターチェンジから南西に約2キロ。車で訪れる際は、小海の松崎桜の向かいにある「岡田こうじ屋」の駐車場を利用するよう岡田さんは呼びかけている。

(四国新聞・2025/04/07掲載)



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