小豆島町が同町坂手の坂手港に整備していた新たな交流拠点施設「さかてらす」が完成し、6日に落成式典や内覧会が開かれた。高松や神戸からの玄関口としての機能に加え、移住・就職の相談窓口や体験施設、地場産業や観光PRを担う待望の拠点。関係者が船出を祝ってテープカットを行い、「観光を軸に小豆島の明るい未来を照らす礎に」と地域活性化を誓い合った。


1階のエントランスフロアを見て回る関係者。内装には小豆島産の花こう岩や県産ヒノキが多めに使われている=香川県小豆郡小豆島町坂手

1階のエントランスフロアを見て回る関係者。内装には小豆島産の花こう岩や県産ヒノキが多めに使われている=香川県小豆郡小豆島町坂手


 落成式典には、大江正彦小豆島町長や地元関係者ら約40人が出席。町長は1927(昭和2)年の開港以来、産業や観光、災害時の拠点港として小豆島の発展を支えてきた同港の歴史や役割を紹介し、「坂手地区や小豆島の新たなシンボルとして、観光を含めた産業振興をリードする拠点にしていく」と強調した。
 建物は採光窓を広めに取り、内装には小豆島産の花こう岩や県産ヒノキ材などを多めに使用。乗下船口となる3階は、人流がスムーズになるよう通路部分の幅を広く、スロープを緩やかに設置しているほか、子どもが自由に遊べるキッズコーナーや授乳室を設けている。


2階の移住体験者の交流スペース。宿泊スペースやワーキングスペースもある

2階の移住体験者の交流スペース。宿泊スペースやワーキングスペースもある


 特徴的なのは2階にある移住体験施設。宿泊滞在できる就寝用のベッドルームや簡単な調理場、洗濯機などがあり、就職支援相談の窓口と一体化することで、地元と何度も往復せずとも小豆島の仕事や生活環境を体感することができる。
 1階には軽食や小豆島土産を購入できる売店や観光案内窓口を設置。屋上は瀬戸内国際芸術祭の作品展示などのほか、イベントスペースとして活用する。
 運用開始は12日から。開館は午前6時半から午後9時まで(土日祝日は同11時まで)。

(四国新聞・2025/04/07掲載)



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