東山魁夷せとうち美術館開館20周年記念 「気配の力―拡大する日本画 岡村桂三郎―新恵美佐子」 「生命」で探る新たな道 6月1日まで 新作や大作 21点展示
東山魁夷せとうち美術館開館20周年記念春の特別展「気配の力―拡大する日本画 岡村桂三郎―新恵美佐子」(四国新聞社など共催)が12日から香川県坂出市沙弥島の同美術館で開かれる。現役2作家の作品を通して日本画の歩んできた道を振り返るとともに、未来へとつながる新たな道を探っていく。
「拡大する日本画」シリーズは今回で3回目。これまで「植物」「風景」をテーマに開催。今回は「気配の力」と題し、岡村、新恵が「生命」をモチーフに制作した作品から、それぞれが発する「気配」を、見る側に感じとってもらう。新作、大作など21点を展示する。
岡村は1958年東京都出身、83年東京芸大美術学部を卒業。2009年から多摩美術大学美術学部絵画学科日本画専攻教授。瀬戸内国際芸術祭2025秋会期(伊吹島)に参加予定。
板をバーナーで焼き、その上に顔料や岩絵具を重ね塗り削りとる板絵をベースに、大きく重量感あふれる屏風作品に仕上げた。得体の知れない生き物の気迫に満ちた「気配」を感じる。出品は幅12メートルの大作「百眼の魚 18―1」「群山龍図 17―1」など4作品だが、いずれも見る側を圧倒する。
新恵は1963年大阪府出身、89年に多摩美大大学院美術研究科修了後、インドに滞在。インドを重要な創作の源泉とし、詩人ダゴールの影響を受けたシリーズを描いている。
また、水墨画作品では墨や紙などに中国の画材を使用し、墨の濃淡を生かした作品を制作。生命の営みを主題に日印中の文化が融合した作風をみせる。今展に合わせて制作した最新作「Butterfly dream」など12点を出品する。
会期は6月1日まで。休館日は4月14日、5月26日。ただし瀬戸内国際芸術祭2025春会期(4月18日~5月25日)開催中は無休。一般800円。問い合わせは県立東山魁夷せとうち美術館0877-44-1333。
(四国新聞・2025/04/10掲載)