瀬戸内国際芸術祭2025=「海の祭典」準備着々 お手製茶器でお接待 新会場の坂出瀬居 「親子おてつ隊」が茶屋
アートの祭典まで、あと4日―。3年ぶりの開催となる瀬戸内国際芸術祭は、18日に開幕する。国内外から作品鑑賞に訪れる大勢の人たちをもてなそうと、会場周辺では地元住民らが受け入れ準備を進めている。アーティスト入魂の作品も次々とお披露目され、地域の期待感はいやが上にも高まるばかりだ。
瀬戸内国際芸術祭の新会場に選ばれた坂出市の瀬居地区で、市内の親子連れらで結成した「坂出親子おてつ隊」が5月25日までの春会期中、来場者を歓迎するお接待茶屋を開く。抹茶を振る舞う茶器は隊の子どもたちのお手製。アート展示会場となる旧瀬居中学校(同市番の州町)に茶屋を設営し、抹茶提供のリハーサルも行って、国内外からの来場者をもてなす準備を整えている。
同隊は市内のPTAと子ども会が連携し、2013年の瀬戸芸から毎回結成。今回は市内の幼稚園や小中学校に通う子どもと、その保護者ら計約350人がメンバー入りしている。
お接待茶屋はこれまで、今年も会場の一つに含まれている同市沙弥島で開催していたが、今回は、初めて会場に加わる隣りの瀬居地区を盛り上げようと設営場所を移した。茶器は過去も同隊の子どもたちが作っており、3月のワークショップで陶製の60個を制作。茶屋に飾る花瓶も手作りした。
茶屋の設営やお接待のリハーサルは6日に行い、約120人が参加。焼き上がった茶器が初披露され、外側を動物や星の形のパーツ、水玉模様などで飾り付けた力作の数々を目にした子どもたちは、「色がきれい」「形が面白い」などと歓声を上げた。大人がたてた抹茶を提供する練習では、来場者役のメンバーに笑顔で「お茶をどうぞ」などと呼びかけた。
お接待茶屋は校舎と体育館をつなぐ渡り廊下周辺に設置。渡り廊下には、「海のふしぎな生き物」をテーマに親子で制作したパネル約250枚と瀬居地区の漁師が使っていた大漁旗約50枚を飾り付け、オリジナルのアート作品に仕上げた。
茶屋では春会期中の毎週日曜日、午前10時~正午と午後1時~3時の2部制で抹茶と和菓子を振る舞う予定。
坂出での瀬戸芸は、瀬居地区と沙弥島に王越町を加えた「瀬戸大橋エリア」として、春会期(18日~5月25日)に開催。19日には旧瀬居中でオープニングセレモニーが予定されている。
(四国新聞・2025/04/14掲載)