タクシーアプリ本格始動 高松協会260台運用 スマホで手軽に依頼 効率的な配車を実現
高松タクシー協会(川崎武文会長)などは15日、導入準備を進めていた配車アプリ「香川Taxi」の本格運用をスタートした。エリア内を走る約260台から最寄りのタクシーをスマートフォンで手軽に呼ぶことができる。タクシー業界は慢性的なドライバー不足の中、非効率な配車という課題も抱えており、各事業者の空車情報を一元化することで効率的な配車を実現し、収益アップを図る。
同日、高松市朝日町の香川ハイタク会館で関係団体の代表らが会見。川崎会長は「地域の人たちの足を自分たちの手で守っていきたい。利用しやすい身近なアプリとして地域の高齢者らにも幅広くPRしていければ」と意欲を示した。
同協会によると、地域限定の配車アプリは四国では初めて。配車アプリには全国展開のものもあるが、高松地域のタクシー事業者は稼働台数が20台程度の小規模事業者が多く、導入に二の足を踏んでいたという。
そうした実情を踏まえて開発されたのが香川Taxiで、利用者がタクシー事業者を選択したり、事業者が配車依頼に応えるタクシーを調整したりする機能を加えるなど、配車システム開発の電脳交通(徳島市)と地域限定のアプリを作り上げた。
アプリは無料でダウンロードでき、乗車地と降車地を入力後、一番近くの空車タクシーなど表示されるタクシーから選択して依頼する。運用を巡っては昨年11月から同協会と高松市が実証運行を実施。3月末までにアプリのダウンロードは5千件を突破、利用回数も4千件を超えた。個人タクシーを含む23事業者が参加して257台を運用しており、タクシー事業者からも実際に客が乗っている「実車率」が伸びたといった声が寄せられた。
取り組みには業界イメージの刷新や若年層の採用促進といったメッセージも込められており、同協会の寺師大祐運送委員長は「アナログな業界イメージが採用の足を引っ張っている。デジタルツールを活用し、若い世代に継続的に働いてもらえる環境づくりに努めたい」と話した。
(四国新聞・2025/04/16掲載)