香川漆芸の3技法知って 高松・来月18日まで 匠らの作品を展示
香川漆芸の3技法の魅力を紹介する「さぬき漆芸 三技法展」が香川県高松市番町の県文化会館で開かれている。県指定無形文化財保持者らの作品を通じ、蒟醤(きんま)、存清(ぞんせい)、彫漆(ちょうしつ)の特徴を知ることができる。5月18日まで。
同展は漆芸を身近に感じてもらおうと県漆芸研究所が毎年開催。今回は同研究所の修了生らがそれぞれの技法を駆使して制作した箱や盆など8点を展示している。
蒟醤は器に漆を重ね、彫った文様の溝に色漆を埋め加飾する技法。高松市の太田加津子による「籃胎蒟醤小食籠(らんたいきんましょうじきろう) 独楽(こま)」は、さまざまな色を塗り分け、こまが回転する様子を表現している。
存清は漆を塗り重ねた器に文様を描き、その輪郭や細部を彫る。香川宗石の「存清蒟醤(ぞんせいきんま) 龍之図飾盆(りゅうのずかざりぼん)」には、色を混ぜ竜や唐草といった伝統の絵柄を雄大にあしらった。
彫漆は北岡省三(高松市)の「彫漆箱(ちょうしつばこ) 早春譜(そうしゅんふ)」を紹介。色漆の層を掘り下げ、文様を浮き彫りにする技法で、淡い水面に映える朱色のツバキを際立たせている。
実際に板の見本に触れるコーナーでは技法ごとの凹凸や質感を確かめることができる。
同研究所専門職員の辻孝史さんは「香川には全国に誇れる特殊な技法があることを知ってほしい」と話している。
入場無料。問い合わせは同研究所、電話087-831-1814。
(四国新聞・2025/04/17掲載)