3年に1度の現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2025」(同実行委主催)の春会期が18日から香川、岡山両県の島々や沿岸部で始まる。17日には参加アーティストらが作品や会場設営の総仕上げに取り組み、来場者の受け入れ態勢を整えた。


女木小のプールで展開されるヤコブ・ダルグレンさんの作品=香川県高松市女木町


 このうち、高松市の女木島では「島の仮想世界」をテーマにカフェを展開する現代美術家の原田郁さん(埼玉県)が、店内の壁画や照明の最終調整を行った。女木島を3週間リサーチした上で制作したといい、「作品と実際の風景とのコラボレーションを楽しみ、心を解放してほしい」と笑顔で話した。
 休校中の女木小学校のプールでは、新規参加国スウェーデンのヤコブ・ダルグレンさんの作品も公開準備が整い、カラフルなデザインが周囲の風景に溶け込んでいる。
 一足早く会場を訪れ、屋外作品を鑑賞する人の姿も見られた。高松市の小野山正彦さん(65)は「瀬戸芸は島々に目を向けるきっかけになる。開幕してからも来場したい」と話していた。
 今回の芸術祭は、大阪・関西万博が同時期に開催されるなど、国内外から多くの来場が予想される。実行委は混雑対策として、公式アプリを通じて島ごとの混雑状況を発信するほか、公式サイトには混雑予想カレンダーを掲載しており、計画的な来場を呼びかけている。
 春会期の会場は直島や豊島、瀬戸大橋エリアなど10カ所。夏は志度・津田エリアと引田エリアが、秋は宇多津エリアが加わる。全会期を通じた参加作家・プロジェクトは37カ国・地域の218組で、過去最多の256作品が公開される。
 2010年から始まった瀬戸芸は今回で6回目。会期は春(4月18日~5月25日)夏(8月1~31日)秋(10月3日~11月9日)の計107日間となる。

(四国新聞・2025/04/18掲載)


瀬戸内国際芸術祭2025


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