島×アート、出会いの旅へ 瀬戸内国際芸術祭2025春会期開幕
香川、岡山の島々などを舞台にした現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2025」(同実行委主催)の春会期が18日、始まった。香川の沿岸部にエリアを拡大した今回の瀬戸芸。国内外の作家が土地の歴史や文化を掘り下げた約190点が並んだ。青空が広がったこの日、各会場には多くの美術ファンらが詰めかけ、瀬戸内を巡るアートの旅を楽しんだ。
高松市サンポートのあなぶきアリーナ香川(県立アリーナ)では、池田豊人知事や北川フラム総合ディレクターら約600人が出席して開会式を開催。あいさつに立った池田知事は「アートの力は一つのイベントを超え、持続可能な未来づくりにつながっている。香川と瀬戸内の魅力を存分に味わい、出会いと感動の旅を楽しんでほしい」とアピールした。
続いて、北川総合ディレクターが会場ごとに出展作家を紹介。県出身のトランペット奏者3人が高らかにファンファーレを響かせた後、巨大バルーンのパフォーマンスも行われ、開幕を華やかに盛り上げた。
高松港では、美術ファンらがスタッフやボランティアの見送りを受けながら直島や大島行きの船に次々と乗船。各会場では、ガイドブックを片手に思い思いのペースでアート鑑賞を楽しむ姿が見られた。
3年ぶり6回目となる今回の瀬戸芸は、5月25日までの春会期を皮切りに、夏(8月1~31日)秋(10月3日~11月9日)の3会期に分けて計107日間開催。会場は島々に加え瀬戸大橋エリア(春)、志度・津田エリア(夏)、引田エリア(同)、宇多津エリア(秋)など17カ所となる。
全会期を通じた参加作家・プロジェクトは37カ国・地域の218組で、過去最多の256作品が並ぶ。今回はアジアの文化芸術の中核となる芸術祭を目指そうと、アジア諸国からの出展を強化。19日は直島や坂出市瀬居地区で歓迎イベントや開会セレモニーがある。
(四国新聞・2025/04/19掲載)